概要
南北朝の名将が、最期の戦いに挑んだ理由とは――
建武3年(1336年)5月、楠木正成は九州から東上する足利尊氏と戦うよう命じられる。その戦いは――のちに湊川の戦いといわれる、正成最後の戦いだった。この時代を象徴するような、はっきりしない、くずついた天気の日――おそらくは帰ることなき征旅へと出る正成は、途次、桜井という地で、息子の正行(まさつら)に別れを告げる。正行は連れて行って欲しいと願うが、正成は拒み、その心情を吐露する……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!青葉茂れる桜井の、里のわたりのお天気は?
今回のカクコン11(短編)「お題フェス」のお題は「天気」。ちょっと範囲が広すぎないか運営。
歴史上、天候が影響した出来事は無数に存在するだけに、数々の歴史物を手掛けてこられた四谷氏が、果たしてどんな題材を選ぶか注目しておりました。
そして示された答えは、事実上「建武の新政終了のお知らせ」となった「湊川の戦い」。特にその直前、『太平記』屈指の泣かせどころでもある「桜井の別れ」を中心に据えた短編です。
作者である四谷氏は、カクコン11に、南北朝の争乱を題材とした長編短編を応募されておられますが、本作もまたそのシリーズのひとつ。湊川の戦いの内容には直接触れず、何故楠木正成ほどの名将が勝ち…続きを読む