『カスティリオーネの戦い、あるいは「皇帝」ナポレオンの原型』は、「まだ“皇帝”ではなかった若きナポレオンが、どのようにして“皇帝ナポレオン像”を形作っていったのか」を、史実と考察を交えながら描き出す歴史エッセイです 📜🔥
舞台となるのは、フランス革命後の混乱期、イタリア戦線。兵士たちは飢えと疲労に苦しみ、装備も乏しく、士気は最低―― ⚔️🪖
そんな絶望的な状況の中で、ナポレオンはあの有名な演説を放ち、兵士たちの心を一気に掌握していきます 🎙️⚡
四谷軒先生は、この場面を単なる「名演説」としてではなく、“言葉によって現実をねじ曲げ、兵士たちに未来の幻を見せる” ナポレオンの危ういカリスマの出発点として描き出しています 📚🌟
また本作の魅力は、ナポレオン一人を英雄的に持ち上げるのではなく、彼を取り巻く政治家・軍人・敵将たちの思惑を丁寧に配置しているところにあります 🕰️🎭
ナポレオンという名前は知っているけれど、その「始まり」をちゃんとイメージしたことがなかった人にこそ読んでほしい一作です 🌌🦅
カクコン11(短編)「お題フェス」もついに最終回。
このフェスに、第一回は大谷吉継、第二~五回は南北朝の争乱と、日本史を題材にした短編で皆勤参加してこられた四谷軒氏が、最終回のお題「温める」に対し、どんなテーマで挑むのかと固唾をのんで待機しておりましたところ、明かされた短編の舞台は「カスティリオーネの戦い(1796年)」。楠木正成がコンビニで「おにぎり温めますか?」と足利尊氏に尋ねる展開に違いないという私の期待は見事に裏切られました。
のちに皇帝の座に昇りつめるナポレオン。その若き日の姿を描いた短編が本作です。
彼が帝位に就く八年前の1796年、フランス革命の影響が自国に及ばぬよう、周辺諸国は対仏大同盟を結び、干渉戦争を仕掛けて来ました。四方を敵に囲まれた状況下、バラス率いるフランス革命政府は、北イタリアから自国南部に脅威を与えているオーストリアを討つべく、若き将軍・ナポレオンを司令官に抜擢します。
当時のフランス軍は、革命後の混乱もあり、装備士気とも最低。しかし司令官に着任したナポレオンは、演説で兵士の士気を高め、巧みな機動で敵軍を撃破します。
「ガリアを征服したのは、ローマ軍ではなくカエサルである」と言ったナポレオン。彼がカエサルの称号に由来する「ランペルール」となる前から、その才能の片鱗を見せていました。そしてその才能には、軍事面のみならず、政治面も含まれていることが、本作で明らかとなります。若き日の英雄の活躍を描いた短編、是非お読みください!