概要
ある日金木犀の香りに誘われて辿り着いた公園で、ひとりの女性と出会う。
可愛らしく可憐なその女性に『俺』は心を奪われていく。
これは金木犀が導くふたりの出会いの物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!最後、金木犀の甘い香りの意味が変わる。
上京して間もない社会人一年目の男性が主人公の本作。
初めは淡い恋物語……と心穏かやに読んでいたら、最後の最後に「おやぁ?」となります。よく見たら、タグに「メリーバッドエンド」って書いてある。この結末から、それまでの微笑ましい描写も「もしや……?」と遡って疑いたくなる。作者様の思うツボですね。
けれども、本当にはじめは、可愛らしいロマンチックなお話にしか見えないのです。
金木犀の香りに誘われた先である女性と出会い、それ以降、金木犀の香りがするつどに女性を思い浮かべ、探してしまう。恋する男(女でも同じですね)のムーブです。
それが最後の最後にひっくり返される。
いったいどういうことだ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!初恋の花言葉は――
とにかく最後に尽きます。
「運命みたい」に続く、あの一段ずれた笑み。
かなり素直に、一目惚れの話として続いてきたのに、あの一瞬で物語の見え方が変わってしまう。ロマンチックな偶然に見えていたものが、急に逃げ場のないものに変わるのがぞくっとしました。
金木犀の香りの使い方も印象的です。
最初は実家を思い出すやさしい香りだったのに、だんだん彼女そのものを思い出させる香りになっていって、最後にはそれが不穏さの気配にまで変わってしまう。
見えないのに届いてしまう香りだからこそ、この話の雰囲気にすごく合っていたと思います。
花言葉の「初恋」と「陶酔」も、読み終えるとかなり効いてきますね。
短い話…続きを読む - ★★★ Excellent!!!リアルな日常に、ほんの少しのスパイスを! 金木犀が運ぶ、出会いの物語。
"金木犀"といえば、甘く独特な香りですよね。
少し酩酊するような、重く沈むような、不思議な香り。
この作品からは、ずっとその香りが漂っており、それが"恋の香り"とも取れます。
しかも主人公が社会人だということでリアリティがあり、めちゃくちゃ共感してしまいました。
会社帰りの少し寂しい気持ちが、金木犀によって満たされる。
甘い香りの中で始まる出会いは、香りと共に強烈に脳裏に刻まれて、想いとして積もっていく。
再会を果たす二人に『ハッピーエンド』だと喜んだところで明かされる裏話。
作者様が後書きとして載せていらっしゃる"裏話"を読んだうえで、ぜひ改めて作品を読み返してみ…続きを読む