作品内に多くの事が込められている感じがして、レビューしたい、されど私の拙い言葉で作品に触れて良いのか逡巡しました。
こちらは聖女も周りの人間も在り方にとても【人間】らしさを視ました。
奴隷、聖女、神秘の実。
日本からしたら少し遠く感じるかも知れない世界観の中に人間らしさが有るからリアルで綺麗で儚く、そして恐ろしさを感じます。
主人公の立場になったら、私は彼とは異なる道を選ぶと思います。
私の目の前に奴隷聖女が居たら、きっと周りの人間と同じ事をする。
この作品を「単なる創作」「面白かった」だけで終わらせてはならないと感じたのは其処が大きい。
多くの人に読んでもらって、自分ならどう動くのかなどを考えて欲しい。素晴らしい小説です。
作者の白滝ねこ様へ。
私たち人間の在り方としてとても大切な事が書かれている小説を執筆いただきありがとうございます。
まるで昔話を聞いているような、静かで美しい語り口に引き込まれました。
病に苦しむ娘を救うため、神秘の実を探して森へ入った旅人。そこで語られる、ひとりの奴隷の娘の物語が、とても切なく、胸に残ります。
人を癒す力を持ちながら、そのたびに自分自身を削っていく少女。
誰かを救いたいという優しさは尊いものなのに、その優しさに周りの人々が少しずつ甘え、すがり、当たり前のように求め続けてしまうところが、とても痛ましかったです。
白滝ねこ様の文章は、残酷なことを大きな声で叫ぶのではなく、静かな語りの中でじわじわと読者の心に染み込ませてくるところが魅力だと思います。幻想的でありながら、人の弱さや願いの重さがしっかり描かれていて、読み終えたあとも深く考えさせられました。
これは、ただの悲しい聖女の物語ではありません。
人を救うとはどういうことなのか。
優しさを受け取る側は、どこまでその人に求めてよいのか。
そんな問いが、静かな森の奥からこちらを見つめてくるような作品でした。
幻想的で、美しくて、少し哀しい。
読後に長く余韻の残る、とても印象的な一作です。