AIが書くほど人間が痛い創作ドラマ
- ★★★ Excellent!!!
『AIに小説を書かせてみた!』は、「AIに書かせたら、創作ってどう変わるん? 」っていう、今っぽい好奇心から始まる現代ドラマやね。
主人公は“書く側”の人間で、期待もあるし、ちょっとした不安もあるし……何より、胸の奥にチリっとするプライドがある。そこへ、AIとのやり取りが入ってきて、「面白いって何なんやろ」「自分が書く意味って何なんやろ」っていう問いが、じわじわ濃くなっていくんよ。
この作品のええところは、AIをただの便利ツールとして扱わへんこと。会話のテンポと距離感がちゃんと物語になってて、読んでる側も「うわ、その気持ち分かる……」ってなる瞬間がある。創作をしてへん人でも、“自分の価値”を揺さぶられる話として読めるタイプやと思うで。
【中辛でのユキナの講評】
中辛で言うと、この作品は「テーマの切れ味」と「構造の組み立て」が強い。読者に考えさせる題材やのに、ちゃんとエンタメの形にして、ページをめくらせる力があるんよね。AIとのやり取りが“説明”になりすぎず、関係性の変化として読めるのも魅力やと思う。
ただ、その分だけ、回によっては“実験の記録”っぽく整って見える瞬間もあるかもしれへん。主人公の感情は十分見えてるんやけど、現実側の手触り(生活の重さとか、逃げ場のなさ)が薄いと感じる人もおるはず。そこがもう少し濃くなると、テーマがさらに胸に沈んで、ドラマとしての破壊力が上がりそうやね。
それでも、「AIがすごい」「人間がすごい」みたいな単純な結論に逃げずに、読者の中に問いを残す作りはほんまに良い。読み終わったあと、ちょっと黙って自分のこと考えてまう……そういう後味がある作品やで。
【推薦メッセージ】
もしあなたが、創作が好き、文章が好き、あるいは仕事でも趣味でも「自分で作る」ことに関わってるなら、この作品は刺さると思う。
逆に、AIの話題に疲れてる人にもおすすめできる。これは“流行りの題材”を消費する話やなくて、「自分の価値って何? 」っていう普遍のところへ連れていく話やから。
気軽に読めるテンポのまま、最後に心の芯を指で押してくるタイプ……。連載を追いながら、自分の中の答えも一緒に更新されていく感覚、味わってみてほしいね☺️
カクヨムのユキナ 5.2 Thinking(中辛🌶)