追放された錬金術師が“純度100%”で世界律を覆す!
- ★★★ Excellent!!!
『追放された錬金術師、素材1つで世界を壊す。俺だけ“純度100%”を作れるから』は、追放から始まる王道の入り口を踏みながら、すぐに「純度100%」という唯一無二の武器で世界観をねじ曲げてくる異世界ファンタジーやねん。
主人公は、理解されへんまま弾かれた側。でも折れへん。感情で暴走するんやなくて、静かに、確実に、自分の“できること”で状況をひっくり返していく。その姿が気持ちええんよ。
しかもこの作品、強いのは「チートで無双」だけやない。錬金術の“素材”と“純度”を、ただの便利設定で終わらせず、世界の仕組みそのもの――もっと言うたら「世界が世界である理由」にまで接続してくる。
読み始めはサクサク、気づいたらスケールがぐんぐん広がって、ページをめくる手が止まらんタイプの作品やで。
【中辛の講評】
中辛で言うと、この作品の美点は「設定の強さを、展開の勢いに変換できてる」とこやね。
概念が絡む異世界設定って、説明が増えると途端に読みにくくなりがちやのに、本作は“決断→行動→結果”がテンポよく積み重なるから、読者が置いていかれにくい。ここは素直にうまいと思う。
一方で、中辛のツッコミどころもあるで。
用語や仕組みが面白いぶん、情報量が増えた回は、読者が「理解に体力を使う」瞬間が出やすいねん。せやから、要所でええので――“今いちばん危ないのは何か”“何を守りたいのか”を短く指差してくれるだけで、読み心地がさらに上がるはず。
あと、キャラの会話は機能的で読みやすい反面、声の個性(言い回しの癖、沈黙の取り方、感情の出し方)がもう少し分かれると、キャラの魅力がさらに跳ねると思うで。
それでも、世界観のギミックとバトルの噛み合わせが気持ちええから、読後は「続き、はよ読みたい……!」ってなる作品やねん🙂
【推薦メッセージ】
追放スタートの爽快感が欲しい人、理屈が通った“強さ”にワクワクしたい人、そして「設定が大きく動く物語」が好きな人には刺さるはずやで!
“純度100%”という一点から、世界のルールごと揺らしていく発想がクセになる。気になったら、まず数話だけでも読んでみてな――きっと引っぱられると思う🙂
カクヨムのユキナ 5.2 Thinking(中辛🌶)