概要
悪魔の血を引き魔術を使う人々、魔術師が存在する世界。
エウロペという大陸で非魔術師から迫害された彼らは、新たに発見された大陸、マゴニアへの移住を選ぶ。
そこに人は住んでいないという話だったが、当代最強と謳われる青年魔術師アヴェンが現地を訪れると、先住民が魔術師によって迫害されていた。
自分と同年代の兄妹が殺されそうになっているのを見たアヴェンは、かつて非魔術師に妹が殺された時の光景を思い出し、咄嗟に同胞を裏切り、先住民の側に付いてしまう。
アヴェンは魔術師の幼馴染、アレクミワに未練を覚えつつも、自身が救った兄妹の妹、ユニと結婚。
先住民、風の民を守るために戦うことになるが、捕虜となった魔術師の女
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ダークさとは心にあるもの
迫害の歴史を背負いながらも前進しようとする魔術師の物語は、ただのダークファンタジーというくくりでは語れない深みに満ちてます。
主人公のアヴェンが過去に抱えてきた深い傷や絶望感。
誰もが抱える可能性のある心の傷が、丹念にそして丁寧に描かれており、過去というものは時にとても危うく恐ろしいものなのだということを実感しました。
そして逆境に立ち向かうアヴェンの姿や、仲間たちの優しさが、世界のダークさを心地よく中和してくれます。
異世界物語だからこそ実現できた、現代社会への示唆のようにも感じました。
たとえ悲惨な過去は消せなくても、やわらげる手段はあるかもしれない。
そこには解決できる希望が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!痛みの中で希望を選ぶ物語。 胸に静かに残る余韻が美しい。
魔術師と非魔術師が深い断絶を抱える世界で、青年アヴェンが正しさと優しさの狭間で揺れ動く物語です。
圧倒的な力を持ちながらも、彼は決して万能ではなく、選択のたびに痛みを背負います。その痛みが静かに伝わり、深い陰影を与えています。
本作品の魅力は、派手な魔術戦だけではありません。差別や恐怖、誤解が渦巻く世界の中で、それでも誰かを守ろうとする意志が、立場や種族を越えて繋がっていくところにあります。アヴェンを支える仲間たちの温かさや、彼自身が少しずつ変わっていく姿が丁寧に描かれ、重いテーマの中にも確かな希望が灯ります。
争いの果てに残る小さな光が、まるで向日葵のように静かに咲き誇る――
そんな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!弱さが罪となる迫害の連鎖
出生ゆえに長年に渡って迫害を受けてきた魔術師たちが、人のいない新天地を求めて旅を始める異世界ファンタジー作品です。
悪魔と人の間に生まれた種族、魔術師。
頭部の角と人にはない魔術の異能を有する彼らは迫害され、争うにも絶対的な数の差が大きな壁となっていました。
そんな彼らが求めたのは、人の存在しない魔術師だけの世界。
無人の土地を発見したと同胞に伝えられ、彼らは船で新天地を目指します。
けれど、そこは魔術師たち全員の理想を叶える新天地ではありませんでした。
思想の違いにより、表面化する敵対。長い迫害によって、自身にも根付いてしまった虐げる心。
果たして彼らの運命は、どんな形に転が…続きを読む