概要
それは頂点へと至り、極点へ墜つ物語。
ある冬のこと。
魔法大学の講師を務める白髪のエルフ——グラシエの平穏な静寂は、空から降り注いだ号外によって打ち破られた。
告げられたのは、エルフの国を統べる女王の退位表明と、新たな女王の戴冠式の開催。
同時に布告されたのは、エルフ以外のあらゆる種族を排斥する、差別と欺瞞に満ちた新法。
その即位に異議を唱えたグラシエは、彼女の親友にして幼馴染、アディユの軽口をきっかけに、ひとつの結論に辿り着く。
——戴冠式を無茶苦茶にして、自分が女王になってしまえばいい。
誰もが手を取り合って暮らせる、明るく楽しい夢の国。
そんなものはあり得ないと知りながら、グラシエは遥か彼方の理想を目指す。
──これは、今ではすっかり忘れ去られた、二人のエルフの冬の記録。あるいは、涙で錆びた冠を、頭に乗せた女王の話。
魔法大学の講師を務める白髪のエルフ——グラシエの平穏な静寂は、空から降り注いだ号外によって打ち破られた。
告げられたのは、エルフの国を統べる女王の退位表明と、新たな女王の戴冠式の開催。
同時に布告されたのは、エルフ以外のあらゆる種族を排斥する、差別と欺瞞に満ちた新法。
その即位に異議を唱えたグラシエは、彼女の親友にして幼馴染、アディユの軽口をきっかけに、ひとつの結論に辿り着く。
——戴冠式を無茶苦茶にして、自分が女王になってしまえばいい。
誰もが手を取り合って暮らせる、明るく楽しい夢の国。
そんなものはあり得ないと知りながら、グラシエは遥か彼方の理想を目指す。
──これは、今ではすっかり忘れ去られた、二人のエルフの冬の記録。あるいは、涙で錆びた冠を、頭に乗せた女王の話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!行間に潜む、凍れる銀の刃。
文字が、牙を剥く。
ただの革命譚ではない。
行間に潜むのは、冷徹なまでの美学だ。
差別。分断。歴史の重圧。
それら全てを、氷の魔力と一振りの聖剣でなぎ倒し、主人公が放つ言葉は、人々を導く。
物語の体裁は王道。
だが、その肌触りはあまりに鋭く、そして重い。
はっと気づけば、その筆致に心は討たれ、
世界を凍らせる圧倒的な静謐さに飲み込まれている。読み進めるほどに、読者の魂は切り刻まれる。
それは、行間に閃く刃がもたらすもの。
淡々とした語りのその行間にある、想いと血と剣戟の密度の濃さに驚く。
気がつくと、1行を何分も見つめている。
ストーリーの面白さを超え、その筆致に触れるためだけにで…続きを読む