概要
決めるのは、誰かじゃない。自分だ。
あの日、幼馴染を失ってから、拓也の左手首は、ずっと熱を持ったままだった。決定的な場面になると、体が勝手に誰かを探してしまう。シュートを打てない。責任を引き受けられない。中学最後の夏、3on3の大会。かつて事故のあった日、同じ大会に出ていた男・健が、拓也の前に立ちはだかる。「エゴイストが勝つんだよ」。健の言葉が、拓也の逃げ癖を暴いていく。亮、翔、美咲——それぞれの傷を抱えた仲間たちとぶつかり合いながら、拓也は少しずつ、自分の弱さに向き合っていく。揃わない鼓動のまま、それでも同じコートに立つ。逃げ続けた少年が、たった一投に懸けるまでの、静かな青春の物語。
読んでくれてありがとう。物語が届いて嬉しいです。これからも紡ぎ続けます。応援、ありがとう
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!スポーツものには珍しい静に重きを置いた作品
※読了前のレビューになります。
意図しない深読みが混じったらすいません。
初見、いわゆるブルーロックライクの動的な話かと思いきや、どちらかと言うと文芸方面に進むので一瞬面食らいはします。が、シュートを打てない理由を説明で語るのではなく、足や手首の反応で見せることで、拓也の怖さや罪悪感が自然に伝わってきて、すぐに読み方が分かってきます。
スポーツ小説の常道である、勝つことよりも心理的な克服に重心が置かれているのは、この作品の特徴なのかと思います。
初めて打ったシュートが入らない場面は、成功ではなく逃げなかったことを成長として描いていて、この作品らしさが強調される、静かな熱さがありました。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一夏の青春と過去のトラウマ、3on3の試合
拓哉、亮、翔の三人は幼馴染で中学最後の夏3on3の大会に出る、しかしその大会には拓也の友人だった健も出場するらしく…拓哉は過去のトラウマに苛まれることになる
このバスケットボールを文章で表現する表現方法が良かったです、淡々とした切れのいい文章で密度の高い試合風景を描く描写力、汗と足踏みの感触、バスケットボールが跳ねる音、全てがありありと一夏の青春を感じさせてくれました
また描写だけでなく主人公達の心の機微も短い話数ながらしっかり描写されていました(個人的には長編にしてもっと読みたかったくらいですが)、特に拓哉の抱えるトラウマとそれによる試合への負の影響、それだけでなく他の皆んなもそれぞれトラ…続きを読む