カクヨムにも中華世界を描かれた秀作はたくさんありますが、栗パン様の描く世界は、私の好みにピッタリです(笑)
最初から、双子の兄妹、子墨と子衿の魅力的な紹介文に、ただ追ってしまう私でした。
だってその内容が……「二人は入れ替わって…!?」
大丈夫そんな事出来るの?という心配はどこへやら。
官吏を目指し男装して学堂へ通う子衿と太子・言清の妃候補から外す為に、なんと女装して宮廷へ入り込む兄、子墨。
この設定で面白くないはずはありません。
さらに世間ではやっているゴシップ誌People……ではなく“飛燕報”。
それを密かに作っているのが、この2人でした。
彼らを中心にラブも切なさも、サスペンスもそして、謎解きまで!と盛りだくさんで飽きることがありません。
まだ読み途中ですが、最後まで読ませて頂くのは当然かと……。
中華世界ならず現代にも通じる、登場人物の機微や描写もおすすめです。
中華ロマンス×双子の入れ替わり×古代ゴシップ誌×初恋の相手は論敵×ミステリー。
こう書くと、とんでもなく情報量が多い作品に見えます。
でも、間違っていません。
しかも、そのすべてがちゃんと物語に絡んでいて、同時進行していきます。
だから、読み始めると止まらない。
そして何より、「なんちゃって中華ロマンス」ではありません。
世界観の作り込みも、言葉選びも、本格派。
とにかく文章力が圧巻です。
語彙が豊かで、情景や感情の描き方がとても巧い。
難しい言葉を並べているのではなく、その場面に一番似合う言葉をきちんと選んでいる印象があります。
それでいて、ストーリーのテンポはいい。
謎が一つ明かされれば、また次の謎が出てくる。
恋が進みそうになれば、入れ替わりや正体が邪魔をする。
もちろん、
「もう早く正体を明かしてくっつけ!」
と言いたくなる、あの定番のもどかしさもしっかり健在です(笑)
また、各話のタイトルも印象的。
読み終えたあとにタイトルを見返すと、
「ああ、そういう意味だったのか」
と考えさせられるものが多く、物語の余韻をさらに深くしてくれます。
名前も、身分も、性別も偽っている。
それでも、本当のその人だけは、最初から見抜いていた。
これだけ思われて、羨ましい限りですわ~(笑)
設定の面白さだけでは終わらない。
最後まで読んだからこそ、この恋の美しさが分かる作品です。
双子の兄妹、子墨と子衿。
今、巷を騒がせている中華風ゴシップ誌『飛燕報』。
それを密かに作っているのが、この2人であった。
そんな妹の子衿は、官吏を目指して、兄に成りすまして学堂へ通い、逆に兄の子墨は、妹を太子・言清の妃候補から外す為、女装して宮廷へ入り込んだ。
ところが、この入れ替わりが、事態を思わぬ方向へ向かわせてしまう…
作者が最も得意とする中華風世界を舞台に、恋愛あり、ミステリーあり、アクションあり、涙ありの人間模様が、本当に思い切り描かれています。
個人的には、『飛燕報』のちょっと毒が利いた書き口が、とてもお気に入りです!
第2章の構想もあるとのことなので、そちらも楽しみですね(*´ω`*)
是非、ご一読を!
まず、双子が入れ替わってるというのに興味惹かれる。
次に、入れ替わった状態で起こる出来事、それに関わる人々、 それぞれの思い、絡まる謎が面白い。
そして、紡がれる言葉たち。すべてを語っているわけじゃない、詩的なところも多い。でも、すっと入ってくる。よく、考えさせられる。
やはり、中華×ミステリーは切り離せないものなのか。
もう1周読みたい。テスト終わったあとのご褒美にする。
伏線を見つけたい。これだ!って納得したい。
本当に読み応えのある作品です。皆さん、1度読んで見てください。
素敵な作品をありがとうございました!
【レビューコンテスト応募】
させてください(ㅅ´ ˘ `)
兄が妹の代わりに太子妃候補試験に臨み、妹は男装して兄の通う高級官僚養成学校に通う、王道の「とりかへばや(取り替えたい!)」異性双子物語です。
兄がお妃候補、妹が男装書生になっている事情はもちろん「とりかへばや物語」とは全然違いますし、むしろそこが令和の現代を生きる我々に刺さるのだと思います。
また、本作品に必要なものでありながら、物語を一層楽しいものにしている要素に木版刷りの落書(らくしょ)、江戸時代でいう瓦版があります。Xやnoteに例えることができるでしょう。
双子は覆面インフルエンサーであり、彼らの風刺や真摯な政治批判に庶民は拍手喝采を送り、もう一人、王朝の太子様も心を揺り動かされています。太子様も匿名で版元に反対意見などを寄せ、双子兄妹とさせてルをしている……そんな状況から物語は始まります。
これってめちゃくちゃおもしろいシチュエーションではないでしょうか?
中華王朝という歴史的な舞台、雰囲気を壊すことなく現代の日本人でも咀嚼できるような内容になっている。多くの人に出会ってほしい作品です。
【レビューコンテスト応募】
こういうイベントがあることを今知りました。今さらですが応募させてください。
最終話まで読み終わったので感想を書かせていただきます。ネタバレはありません。
まず、私は基本的に中華小説を読みません。ですがこの作品ーーというより、栗パン先生の中華作品は、すいすいと読めます。
特にこの作品は、電子書籍&中華作品が苦手な私でも、頭が痛くなることなく一気に読むことができました。
なんといっても、作品に流れるテーマの奥深さに、惹き込まれます。個人を縛るものは何か、どうしてそれに縛られたままではいけないのか? そういった、縛りだらけの世の中への訴えが色濃く表現されているように感じました。
特に、最終話での伏線回収と後書きでの解説は、心を動かされます。単に読者をびっくりさせようとするだけではなく、人間の業と同時に人間の美しさ、その両方を描いていて、素晴らしかったです。
この物語の本筋からはぜったい外れるんですけど……
問 なぜ飛燕報は、当局から取り締まりを受けなかったのか?
答 太子殿下が読者だから。
という設定(※私の勝手な解釈です)に、思わず唸りました。
中国史がお好きな方ならお分かりいただけると思うのですが、
「太子殿下、妃選びを前に三度目の病臥! 花嫁より先に、薬師が決まるか!」
こんな報せを配り歩いたら、まず間違いなく役人に捕まります笑
こんな危うい情報媒体を成立させるには、無理を通せる人――すなわち皇帝か、それに準ずる方の黙認が必要です。
そう考えると、本作では太子殿下の存在がすごく効いてくるわけですね。
こういう考察をしたくなるほど、作者の豊富な学識に裏打ちされた世界観も魅力的な作品です。
ぜひご一読ください!