概要
親から受け継いだ憎しみを裏切るとき、人は何を失うのか。
空はひとつだ、と信じたい者たちがいた。
空人の少女カイラは、翼が強い。高く飛ぶたびに叱られて育った。空を愛しているのに、空を全部愛することが許されなかった。羽ばたくたびに筋肉のどこかが躊躇する。それを「正しい空人の証」だと教わった。
リュウの若者ゼルガは、白い鱗を持って生まれた。忌み色、空人の色、不吉の象徴。強い、ただし、と言われ続けた。空の上では誰も文句を言えないはずだと思って飛んでいた。他に行ける場所がなかったから。
三百年前の戦争が、二種族の間に境界線を引いた。子守唄になり、子どもの遊びになり、侮蔑語になり、祭礼になった。歴史は刃の形で始まり、日常に馴染むと布になる。どこにでも染み込む。洗い落とし方を、誰も教えない。
二人は出会うべきではなかった。世界の設計がそうなっていた。
空人の少女カイラは、翼が強い。高く飛ぶたびに叱られて育った。空を愛しているのに、空を全部愛することが許されなかった。羽ばたくたびに筋肉のどこかが躊躇する。それを「正しい空人の証」だと教わった。
リュウの若者ゼルガは、白い鱗を持って生まれた。忌み色、空人の色、不吉の象徴。強い、ただし、と言われ続けた。空の上では誰も文句を言えないはずだと思って飛んでいた。他に行ける場所がなかったから。
三百年前の戦争が、二種族の間に境界線を引いた。子守唄になり、子どもの遊びになり、侮蔑語になり、祭礼になった。歴史は刃の形で始まり、日常に馴染むと布になる。どこにでも染み込む。洗い落とし方を、誰も教えない。
二人は出会うべきではなかった。世界の設計がそうなっていた。
読んでくれてありがとう。物語が届いて嬉しいです。これからも紡ぎ続けます。応援、ありがとう
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