――「転生少女は、棺からはじまる」

――「転生少女は、棺からはじまる」、この素敵で意外性のある一文を読んだ瞬間、私はこの物語に惹かれました。

群衆に担がれる棺の揺れと歓声の熱が最初の数行で伝わってきて、「この先に何が待っているんだろう」と読み進めます。

騎士エミルが「救世主殿」と呼びかける場面では、説明役なのに押しつけがましくなく、困惑するイトに寄り添う空気が心地よいです。

王城に入ってからのステンドグラス、青い旗、甲冑の足音――語彙や色彩の描写が丁寧で、商業作品のような安心感と画の強さを感じました。

若き王オルテンシア(オルト)が「お会いしたかった。我らが光」「御身をお守りする」と膝をつく瞬間は荘厳なのに、人肌の温度が残るのが好きです。

対して、イトが「髪色、変わっちゃってるんですー!」と泣き崩れ、王が思わず笑ってしまう場面は、格式の幕が少し上がって二人が急に“人同士”になる感じが微笑ましかったですね。

「俺のことを愛称で呼んでほしい」「オルトと呼んでくれ」という距離の詰め方も素直にキュンとしました。

食卓での「今日共にこうして食事が摂れて良かった」という言葉は、王の孤独と庇護の誓いをやわらかく結んでくれます。一方、丘の上で白銀の男が赤い果実を齧る不穏な一枚は、祝祭の裏にある“血”の気配をそっと差し込み、物語がどこへ転がるのかを思わず想像してしまいます。

庇護と自己発見、光と影の綱引きがこの先どう交差するのか、予想ができません……続きがとても楽しみです。