冷たい記録に残る、ひとつの温度

  • ★★★ Excellent!!!

冒頭は問いかけのようで、個人的な記憶から始まる。
淡々とした言葉なのに、感情だけが静かににじんでいる。
Day01に入ると、視界や行動が細かく記録されていて、世界が白い。
その中で、香りや微笑みが急に浮かび上がる。
とくに、触れた瞬間の反応が忘れられない。
「なぜ分からないのか」を、そのまま書き留めている感じがした。
答えを急がない文章で、気づいたら先を読んでいた。