空と地を繋ぐ 尊い恵みに、唾を吐く。

広い、広い世界で。生きる人類は知恵を持った。文明を持ち、神を知り、信仰を作った。
彼らが生きる地を、彼ら自身が掌握しているようであって、そうではない。
けれども人は知恵を持つ故に、乗り越える――征服せずにはいられないのだろう。
名誉という言葉を与えられたひとつの命。
その命にも人生はあり願いがあった。
けれども広い、広い世界の中では
その命はほんの一粒にすぎないのかもしれない。
地上に注ぐ雨の一粒との等価交換。
その一粒は多くの人への恵みとなる。

だからどうした。

そう叫びたくなる。
遣り切れなさが残る。
しかしそれは、己の感情ではないのだ。
その時代、その場に生きた彼らがどう向き合うのか。
主人公の「答え」を知り、ただ胸の前で拳を握ることだけが、この物語に出会う我々にできること。
この物語を紡いで、現代の我々に示してくださった作者様へ。敬意と感謝を贈ります。

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