概要
実話ベースの輪廻転生譚?
異世界転生ものも悪くないがちょっと変わったものが読みたい?
現実世界の権力や抑圧、差別にプロテストする話?
家族愛や人類愛?
詩情溢れる異色ロマン?
金髪?美形?悪役?
これ一作で御用達できますぜ
「東洋人は、死んだらそれで終わりなんじゃなくて、魂は永遠に続くと考える。でも聖書の『魂は不滅である』というニュアンスとは少し違ってて、同じ魂がまた別の肉体に宿って、別の存在として『生まれ変わる』と考えるんだ。『業』とか『因縁』といって、また前の人生と同じようなことを繰り返したり、同じ人に出会ったり、逆に自分のやった悪いことが自分に返ってきたりもする、という発想がある」
(本文・第二章より)
序盤がおもしろくない、取っつ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!美意識と教養に裏打ちされた本物の筆致
正直に言うと、小説を読み慣れていない身には少しハードルの高い作品でした。
時代も国もくるくると移り変わり、聖書や古典の一節が織り込まれていて、一度読んだだけでは全部は頭に入りきらない。
でも、雰囲気は確かに伝わってくるんです。
二十世紀ヨーロッパの戦争の世紀と、平成の京都。まるで無関係に見えていたものが静かに繋がっていく——
古典文学や聖書を思わせる荘重な文体は、明らかに作者が意図して選んだもので、その美意識と教養に裏打ちされた筆致は本物です。
誰にでもすらすら読める作品ではないけれど、腰を据えて味わう価値のある、野心的な一作だと思います。 - ★★★ Excellent!!!時空を超え「忘却の川」と身体の記憶が繋ぐ、美しくも厳かな命の輪舞曲
メーテルリンクの『青い鳥』の引用から始まり、第一次世界大戦下のベルリン、そして1990年の京都へと、時代と国境を越えて厳かに紡がれる命の連なりに、深く息を呑むような感動を覚えました。
「レーテ(忘却の川)」というモチーフが、1917年のドイツを生きる少年オスカーの孤独な自問自答と、1990年の京都で少女ミクが眺める画集の解説として、時空を超えて美しく響き合っています。
何より素晴らしいのは、魂の幽かな連続性を、「鼻を擦る時にだけ左手の甲を使う」という、あまりにも具体的で微細な身体の癖(ディテール)によって、読者の五感に鮮烈に確信させる筆致です。
戦争という「地獄」の地続きにある歴史、先祖…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魂の輪廻と歴史が交差する、圧巻の本格文芸ロマン
ライトノベルの枠を越えた、ガチガチの本格文芸作品です!実話をベースにしたという本作は、ナチス・ドイツや大戦期の日本を舞台に、抑圧や権力への抵抗、そして深い人類愛を「魂の輪廻転生」という壮大なスケールで描き出しています。
『ベルサイユのばら』を彷彿とさせる徹底した時代考証は圧巻の一言。当時の歴史背景の勉強にもなるほどの緻密な描写により、まるで重厚な歴史ドラマや舞台劇を目の前の特等席で観ているかのような、すさまじい没入感に襲われます。
東洋の「業」や「因縁」が絡み合う数奇な運命。読むのには少し覚悟が要るほどディープで重厚な世界観ですが、読み終えた後の圧倒的な余韻と満足感は保証します。これまで…続きを読む