プロローグがいきなりセンセーショナル!
「え、なにが起きたの!?」
部室の扉の向こう、血だまり、絶命した絵梨花……この時点で読者の心は完全に事件モードです。
なのに次の瞬間、物語はあっけないほど軽やかな日常回に入っていきます。
この落差が気持ちいい!
日常回がまた、読み心地がすごくサクサクです。部員同士の会話のテンポが良くて、変に引っかかるストレスがありません。
散文部の空気に「こういう部活、ちょっと参加したいな」と思いました。
キャラも立っていて、飾り付け担当の航也のファンタジー趣味、謎解き作る玲司の本気、料理上手な絵梨花の場を回す力、そして副部長・晃斗の“学園の名探偵”扱い。部活としての魅力がちゃんと積み上がっていくんですよね。
その中で「水平思考ゲーム(ウミガメのスープ的なやつ?)」が始まります。
事件が起きる前に、軽い推理の見せ場を置いて「この作品は推理もやりますよ」と宣言してくれる感じ。しかも晃斗が論理で答えに辿り着く流れが、キャラ付けとしても「この主人公、事件パートで頼りになるんじゃ?」って期待できます。
で、事件勃発です。
これまでで何が伏線だったかな。「新入生からのメール」「絵梨花が一人で部室対応」「宅配便の違和感」「えいりちゃんに連絡がつかない」「絵梨花も連絡がつかない」……
事件が起きたときに「え、これ…どこにヒントあった?」「さっきの会話、意味あった?」って自然に振り返りたくなる作りになっています。
部活もののとか青春ものが好きな人、ゆるい日常の会話が好きな人にもおすすめ。
ここから「謎解きは?」「伏線は?」「犯人は?」
わたしの好きなキャラのセリフで言うと「私、気になります!」笑
新入部員勧誘イベントの夜に起きた殺人事件の謎を追う、散文部副部長であり名探偵――凍倉晃斗を主人公とした学園ミステリーです。
容疑者はイベント参加者の5名。
一体誰が彼女を殺したのか? というシンプルな謎を巡るミステリーなので、ミステリー苦手な人にもオススメできる一作。
ミステリーでありながら文章に堅苦しさはなく、ノベルゲームをプレイする感覚で頭に映像を浮かべながら読むことができました。
主人公の推理スタンスが情報を一つ一つ整理するタイプなので、謎について深く考えることなく一緒に答えに辿り着けます。とてもわかりやすかったです。
ですが……最たる謎は未だ凍てついたまま。
この謎が「凍解」を迎える瞬間が、今から楽しみでなりません。
第1章(1-26)までを読みました。散文部という部活を舞台にした、学園ミステリーです。最初は人物紹介が延々と続くのですが、一つ一つの描写が短いので、思いのほかするすると読めました。
散文部のイベントで出されたクイズ(パズル?)を解くときの晃斗の思考回路の描写が、説得力があって面白い。探偵小説で、探偵の考えていることは普通書かれませんからね。
文章は、どちらかというと小説というよりはゲームのように感じました。学園ミステリーというジャンルを考えれば、これは案外作風にマッチしているように、読んでみて感じました。探偵小説にありがちな、過剰な状況描写で流れが澱まないのは、好印象です。
第2章以降で事件解決を目指すのでしょうね。先が気になりますので、機会があれば続きも読んでみます。