Prologue的な0-0が、これから何か大きなことが起きそうな予感をしっかり漂わせていて良いですね。慰霊碑の前で「必ずお前たちを超える人材を見出す」と誓う国王の、抑えた声の奥にある意思の強さが伝わってきます。
一転して1-1からは、謎の闘技場で何かの試験に挑む主人公と、頭の中の〝セフィア〟という存在とのやりとり。
倶纏、昂輝、顕現——「これは何だろう?」と気になるものが随所に散りばめられていて、世界観を知りたくなる作りです。
特にセフィアとの掛け合いが軽妙で、重厚な設定を軽やかに読ませてくれる。
世界のルールを一つ一つ丁寧に説明してくれる親切な設計なので、初めてでもすっと入っていけます。
この丁寧さを保ちつつ、戦闘の熱をもう少し途切れさせず一気に読ませる引きが加わると、さらにページをめくる手が止まらなくなりそうです。
『俱に纏いし、纏われし』を読ませていただきました。
まず印象に残ったのは、かなり細かく作り込まれた世界観です。
冒頭の慰霊碑の場面から、この世界には過去に何か大きな出来事があったのだろうと感じさせられます。そこから詞御の編入試験へ移る構成も印象的でした。静かな場面から一転して戦闘へ入るので、物語の雰囲気がしっかり伝わってきます。
「浄化屋」や「倶纏」、「昂輝」など、この作品独自の言葉も多く、世界の仕組みをきちんと考えて作られているのが伝わりました。
ただ、その分序盤は設定や固有名詞が多く、少し情報量が多いかなと感じる部分もありました。一度に覚えるものが多いので、もう少し会話や物語の流れの中で小出しにしてもらえると、より入りやすくなると思います。
詞御とセフィアのやり取りは個人的に好きでした。
詞御が淡々としているのに対して、セフィアは少し柔らかい雰囲気があり、二人の会話に自然とメリハリが出ています。シリアスな設定が多い作品だからこそ、こうした二人のやり取りが入ることで、全体が重くなりすぎていないのも良かったです。
詞御についても、ただ強い主人公という描き方ではなく、相手の力量を冷静に見ながら戦っているところが好印象でした。四人抜きを達成していても驕る様子がなく、自分の置かれている状況を理解したうえで戦っているので、これまで浄化屋として活動してきたという背景にも説得力があります。
戦闘描写も、ただ技をぶつけ合うだけではなく、倶纏の階位や昂輝などの設定が絡んでくるため、この世界では何を基準に強さを測っているのかが分かりやすかったです。
文章については、漢字やルビの使い方に特徴があり、作品独特の雰囲気を作れていると思います。一方で、一文が長くなっているところや、似た内容の説明が続くところは、少し整理するとさらに読みやすくなりそうです。
設定をしっかり作り込んでいる作品なので、説明部分が多くなるのは分かりますが、キャラクターの会話や行動から自然に設定が分かる場面がもっと増えると、より物語に入り込みやすくなるのではないかなと思いました。
全体としては、独自の世界観を大切にしながら、詞御とセフィアの関係性や戦闘もしっかり描いている作品だと感じました。特に、重めの世界観の中に二人の掛け合いが入ることで、読みやすさが出ているのが良かったです。
『俱(とも)に纏(まと)いし、纏われし』、20話まで読ませていただきました!
まず、この作品は世界観がかなり独特ですね。
「欠損を抱えて生まれてくる人間」と、その欠損を補う存在である「倶纏」という設定が面白いです。
単なる魔法や特殊能力ではなく、「人に足りないものを補う存在」というところに意味があって、タイトルの『俱に纏いし、纏われし』という言葉も、読み進めるほど「なるほどな」と感じるようになりました。
そして何より、詞御とセフィアの関係がいいですね。
一日しか記憶を保てない詞御と、それを支えるセフィア。
戦闘では息がぴったりなのに、普段は軽口を叩き合ったり、セフィアがちょっと甘えたり(笑)。
かなりシリアスな世界観なのに、この二人のやり取りが入ることで、作品全体が重くなりすぎないのが良かったです。
特にセフィアは、単なる「主人公を強くするための相棒」ではなく、詞御にとって精神的にもかなり大きな存在なんだなと感じました。
詞御が自分の記憶を失ってしまうからこそ、セフィアとの関係そのものが「積み重ね」になっている。
この設定はかなり好きです。
そしてバトルも良かったです。
単純に「主人公のほうが強いから勝ちました」という戦いではなく、相手の武器や能力を観察して、どう攻略するかを考えていく。
特に編入試験では、戦いながら相手の特徴を分析して、少しずつ突破口を探していくので、読んでいて「次はどうするんだろう?」となります。
しかも、こっちが「これで決まったかな?」と思ったところで、さらに相手側の手札が出てくる(笑)。
「いや、まだあるのかよ!」となる感じが楽しかったです。
編入試験なのに、かなり本気で潰しにきているように見えるのも面白いところですね(笑)。
詞御自身も強いですが、「強いから勝つ」ではなく、経験や観察力を使って勝機を作っているところが好きでした。
また、詞御が戦闘中でも「相手を侮らない」という姿勢を持っているのも良いですね。
20話では、セフィアが相手を少し低く見てしまったときに、詞御が「未知の相手を侮ってはいけない」と戒める場面があります。
ここは詞御というキャラクターの経験値や、浄化屋として生きてきた重みが感じられて良かったです。
依夜も個人的には気になるキャラクターです。
最初は皇女という立場から少し距離のある人物なのかなと思いましたが、詞御たちと接することで、少しずつ「自分も外の世界に出たい」という気持ちを持ち始めている。
特に20話で、詞御たちの戦い方や考え方を見て、自分もそうなりたいと思っているところは、今後の成長につながりそうで楽しみです。
一方で、少し気になったところもあります。
やっぱり、設定や固有名詞がかなり多いです。
倶纏、欠損、浄化屋、階位、養成機関など、作品独自の言葉が次々と出てくるので、序盤では「これはどういう意味だったっけ?」となることがありました。
世界観をしっかり作り込んでいるからこその部分だと思うのですが、もう少し説明を小出しにしたり、会話や戦闘の中で自然に理解できるようにすると、さらに入りやすくなるかもしれません。
特に最初の頃は、世界観を理解することに少し集中力が必要かなと思いました。
それと、バトル描写はかなり細かいので、戦闘が好きな人にはたまらない反面、読む人によっては少し情報量が多く感じる可能性もありそうです。
武器の特性や能力の仕組みまでしっかり描かれているので、「何が起きているのか分からない」ということは少ないのですが、テンポという意味では、もう少し短くても伝わる場面はあるかなと思いました。
ただ、これは完全に好みの部分でもあります。
むしろ、この作品のバトルは「細かく描くからこそ面白い」というタイプなので、個人的には長所でもあり短所でもある部分だと思います。
あと、詞御の「一日しか記憶を保てない」という設定はものすごく強いので、ここはもっと深掘りされるとさらに面白くなりそうだなと思いました。
毎日リセットされる記憶と、セフィアとの関係。
「昨日の自分が今日の自分に何を残しているのか」という部分は、この作品ならではのドラマになりそうです。
20話まで読んだ段階では、まだまだ「なぜ詞御はこうなったのか」「セフィアとは本当はどういう存在なのか」など、気になる部分が残っています。
そこが逆に続きを読みたくなるところでもありますね。
全体的には、かなり設定を作り込んだバトルファンタジーだと思いました。
でも、単なる能力バトルではなく、その根っこに「欠けているものを誰かと補い合う」というテーマがある。
だからこそ、詞御とセフィアの関係が作品の中心としてちゃんと機能しているんだと思います。
個人的には、戦闘ももちろん面白いですが、詞御とセフィアの普段の掛け合いが結構好きです。
シリアスな場面の中に、セフィアのちょっとした可愛らしさが入ってくるのがいい(笑)。
20話では序列決定戦も始まり、さらに大きな戦いへ進みそうなので、ここから詞御たちの関係や、依夜がどう成長していくのかも楽しみです。
設定の情報量が多いので最初は少し「おお、覚えること多いな」と感じましたが、読み進めていくうちに少しずつ世界が分かってきて、そこから面白さが増してくる作品でした。
「欠けているからこそ、誰かと共に進む」
この作品のテーマが、これからどう物語に繋がっていくのか楽しみです!
倶纏や昂輝、階位システムといった世界観の緻密さがすごいですね⚔️ 浄化屋という過去を持つ詞御が、なぜ低年齢でライセンスを失ったのか、その社会背景まで丁寧に描かれていて、単なるバトルファンタジーに留まらない厚みを感じました。冒頭の「浄化屋制度」の変遷、少年少女が危険な職に就かされてきた歴史が、世論の掌返しで覆される皮肉な構造も生々しかったです。
詞御とセフィアの掛け合いが物語のテンポを支えていて、緊迫した戦闘中でも軽妙なやり取りが挟まるバランスが読みやすかったです。編入試験での攻防、刃こぼれという細部から勝機を見出す描写は、駆け引きの緊張感がしっかり伝わってきました🗡️
依夜というキャラクターも魅力的で、皇女という立場でありながら「実力のみが評価される場」を自ら選び取っている芯の強さに好感が持てます。ゼナとの因縁、「〝定着〟」という言葉の不穏さ、隠された「もう一つの経歴」など、伏線が随所に散りばめられていて、この先の展開が気になる引きの強さでした✨
大ジャンルとしては異世界ものとなりますが、
舞台から登場人物まで名称は純和風という、挑戦作です。
冒頭で主人公は新たに可決された制度に引っかかってしまい、
さらに絶対に合格させたくない理事長サイドの思惑が工作します。
非常にオリジナリティの溢れる世界で、設定が多めです。
しかし、設定だけ多くてほとんど回収されない作品も多い中、こちらはそれらを丁寧に回収していきます。
ただ、丁寧と言ってもダラダラ説明を垂れ流すのではなく、シーンに応じて適切に丁寧に回収していくため、説明がくどくなく、いやらしさがありません。
重厚な世界観に浸りたい方にオススメの力作です。
Xの方から来ました。レビューさせていただきます。
戦闘に重きを置いた感じのお話となっていました。世界観の説明もそこそこに戦闘が始まるので、とにかく戦闘がさっさと見たい!という方にお勧めかもしれません。
自分の目的の為に編入試験を勝ち進めるのも王道といった感じがしますね。
個人的に概要欄にある倶纏《くてん》の説明は本編にもあって良かったかなと思います。相棒となる存在についての事なので、後々に詳しく描写するのだとは思いますが、その存在が基本的にどういうものなのか?
心身のどこかに欠損を抱える人間というと、身体のどこかが欠けていても契約できるものなのか? 心に欠損というのはどういうことなのか?
その欠損を補う物というのはどのように補っているのか、それがどう戦いに影響するかー等、最初のページと次のページだといまひとつその特徴が把握しづらく、
「階位的に見れば〝下位・甲型〟に当たります」や「下位・乙型で下位・甲型級最上位の倶纏を持つ実技教員を倒すとは!!」がいまいちどう凄いのかが伝わりにくいかなと感じました。
戦闘能力の違いは1-3にて語られていますが(武器に纏わせるよりも、実際に顕現させる方が強いという話)、先の戦いというのが、実際の戦闘そのものが描かれてないので、それが実際にどのように違いがあるのかな?といった感じがしました。
戦闘自体の流れは王道といった感じで面白く感じたのですが、設定を読者が知っている前提で進んでいる感じが引っ掛かりました。
文章力はあると感じたので、戦闘場面等、ここから面白くなりそうだなという感じがしました。今回は素敵な作品をご紹介頂きありがとうございました。