僕の視界をさえぎる邪魔な板が相棒になるまで

僕たちは知らなかった。あの日までは――。
ただ狩られるために、僕たちはこの世界に生み出されたのだと……。

二足歩行のぬいぐるみ型モンスター(柴犬タイプ)の少年きなこと弟のくろみつ。
350㎜ペットボトル一本分の背丈の小さくてかわいい彼らは、自分達が狩られる存在である事を知らずに平和に暮らしていた。

ある日VRMMO『フォージド・ユートピア』が本格的に始動し、プレイヤーが次々に現れる。

運命に見放されたように見えたが、

視界を遮る、冷酷に光る板。それが、僕の運命を変える――。

突然きなこの前に出現した邪魔な板。
最初は、自分にしか見えないそれが、何かも理解出来ず戸惑い、ただの邪魔な表示に苛立ちさえ覚えるーーだが、それは単なる邪魔な板ではなかった。

徐々に使い方を学んでいき、最高の相…続きを読む