前世の業が今を生きる彼らに重くのしかかる

 平安時代と現代的な世界が混じった、非情に独特な世界観の作品です。

 いちおう舞台は現代の日本っぽいところだけど、現実とことなる点もあって、魔物が出るなどファンタジー的な部分もあったり、早期元服という、ある条件を満たせば天照大御神によって18になる前に元服が告げられ、帯刀が許可されるという制度があったり、この作品独自の設定が光ります。

 主人公たちは前世が平安時代の人物で、物語が進むにつれ、登場人物たちの過去が明らかになっていくのですが、どのキャラがどの歴史上の偉人なのか、予測しながら読むのも面白いです。
 前世が主人公の味方だった人もいれば敵だった人もいるのですが、過去の因縁が彼らを険悪にさせたり、争わせたりします。

 さて、そんな前世の業を乗り越えて、手を取り合い、平和を享受できるのか、それは是非、実際に本作を読んでみて、確かめていただきたいです。

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