終盤で何度も驚かされました

 この物語は高崎颯真という男が緑川御影という女性に実家暮らしだと言い当てられることから始まる。
 なぜそうだとわかったのか、彼女は恐ろしい推理力を披露してくるのだが、この作品の本題はここから先にある。

 ある日、御影がグロタンディーク素数って知ってると颯真に言ってくる。
 これは数学者グロタンディークという数学者が講演中に実際は素数じゃない57をそうだと言ってしまったことからその数字がそう呼ばれているのだが、なぜ急にそんな話をしてきたのか?

 というのも、あるテストの答案に57という数字が書いてあったかららしい。
 それは「17番目の素数を答えよ」という問題だったのだけど、その答案用紙がトイレに落ちていたようだ。

 名前は一枚目の答案用紙に書いてあるらしく、これは二枚目なので名前がわからない、そこで誰の答案なのか、当てようと彼女は言い出す。
 そこから推理が始まることになります。

 途中で明かされる答えに笑ってしまったのですが、まだそこで物語は終わりじゃなく、そこから先で明かされる真相の数々にはとても驚かされました。

 トリックと推理も緻密で、非常にハイレベルか、ミステリー作品でした。おすすめです!