人の命、優しさ、慈しみ。それが集団の狂気に飲まれていく。

 純文学的なヒューマンドラマを得意とされる祐里さんらしい小編です。

 母親を病気で亡くし、お寺に預けられた「シロ」という口のきけない少女。
寺の円輪さんの愛情を受け、少しずつ心を開き始めます。

 その穏やかな生活を襲った大震災が世の中を殺伐とさせていきます。
 その奔流に飲み込まれてしまったシロ。

 しかし、よく、こんな重いお話考えますね。。救いがないというか。
 短い中に、人の命、優しさ、集団の狂気、そういったものがギュっと詰まった短編でした。

 非常に好みが分かれる作品だと思いますが、とても優れているのは間違いありません。
 鬱鬱となるのが大丈夫な方は是非どうぞ。

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