一種の衝撃、と言いましょうか。
持てる知識をフルバーストさせて、それを如何なく発揮しているというのがバチバチに感じられます。
そして間違いなく、その知識というのが複雑で高度な部類であるというのが感じられます。
それでいて、ウィットに富んだ言い回しで堅苦しさをほぐしてくれるので、文章の怒涛の勢いに反して、実に腑に落ちるんです。
知識の幅が広いのに深い、そしてその組み合わせが絶妙に美味い……これは相当に高度な知見がないとできません。
そこに来て、近年騒がれているAIによる創作分野への進出です。
ともすれば「AIが創作を行うことについて」という部分に視点が集約し、話の幅が狭まりそうなものですが、本作は(勿論そこは踏まえつつも)そこだけじゃありません。
何の為に書くのか、創作の喜びとは何かという部分にも鋭く切り込み、AIという存在が創作分野に及ぼす影響に対してかなりの熱量を持って警鐘を鳴らしております。
強い、これが「情熱」か。
AIの存在と否が応でも向き合わなければいけない昨今の創作事情だからこそ、今一度、創作を行う我々は「何のために書くのか?」を頭の中に常に意識しながら、作品と向き合う必要があります。
本作は、そんな強烈な問いかけと激励を、創作を行う者へと贈る……いや、叩きつける作品です。
心して読んでください。
カクヨム文芸界の鬼才、青山翠雲氏のカクコン参加作です。
これはいいんじゃないでしょうか。
AIによって狂わされる、カク〇ム界の三人の模様が描かれています。
自殺念慮に取りつかれweb小説の執筆(全然読まれない)に嵌まり込む友人を見かねて、都度激賞をしてくれるAIソフトを作り上げた男。自作の★が伸びきれないが故にAIに全てを書かせるようになった結果、創作を辞めてしまった女。最後は、テンプレ作品の氾濫に嫌気が差し、コンテストの下読みをAIにさせることとなった出版社の男。
どれも実際にありそうで、引き込まれて読んでしまいます。特に、AI下読みは本当に導入されそうで、ちょっとうすら寒くなりました。
最後は我田引水になっていますがw、わたくしも同意見。翠雲さんは本物のうちの一人ですよ。
想定外の結末、自体験とのシンクロ、人間のみがもつ感情の発露、いずれも持ち合わせた良作であると思います。
わたくしはお勧めします。
最近何かと話題となることの多いAI利用についての創作論に触れた、ちょっぴり風刺の効いた3部仕立てです。
現在日本はAIにおいて後進国と言う立場にありますが、先進国であるアメリカや中国においての創作活動は、現在いったいどうなってしまっているのだろう。そう考えてしまうほどに。
高性能な半導体が産み出す、今までに人類が集積してきた知識に対して、今後人は一体どう立ち向かうべきなのか。学生の頃、情報技術を修めた(つもりの)身としては興味深いテーマでもありますが、EtaRNAでの人の活躍を見るに、まだまだ人は捨てたものではなく、AI何かには負けない分野があるはずです。
漠然とした言葉にはなってしまいますが、人には「イメージ」や「ひらめき」と言ったような素晴らしいものがあるのです。AIは膨大な知識を基に、効率的に完成品を組み立てることが出来ますが、ある限界を突破するという部分においては(現在のところは)苦手なのでしょう。そんなことが出来るAIも何れ登場するのでしょうか?
作品の話に戻りますが、何れのエピソードにおいても、起こりうる、または起こりえているだろう場面を容赦なく書かれており、成程なぁと思わず膝を打ちました。最後のオチについても作者様らしく、思わず笑ってしまいました。私もそう思います(笑)
創作と言うテーマにおいてまだまだ人はAIには、この作者様の「独創的」な「ひらめき」に追いつくことは無いでしょう。色んな意味で「限界を突破」しているお方ですので。
私の拙いレビューで、作者様へご興味をお持ちいただけましたら、是非他の素晴らしい「独創的」な他の作品にも手を伸ばして頂きたいです。お勧めばかりです!
現代問題について、スパイスを効かせつつこれまた面白く作品に仕上げられていて、いつもながらお見事です!!
青山先生を信じろ!
読者視点での意見とすれば、作品は面白いかどうかが全てだな、と思ったりします。読み専の方ほど、書き手がどうとかはあまり気にしないのではないでしょうか…
AIも、今はありきたりな作風だとしても、いつまでもそのレベルにとどまっているかは分かりません。
すでに腕のある作家さんはともかく、初心者には厳しい時代です。
ただ、書いて投稿したことがある身とすれば、一番おもしろいのは、日常を過ごしながらネタをぼんやり考えていたり、それを自分で言葉にして書いている過程かなーと思いますので、AI執筆を続けるのはつらそうだな、と思います(作中のある登場キャラクターのような)。
私はやっぱり人間贔屓ですねw
AI時代の文芸界が抱える危機を強烈で痛烈なユーモアと皮肉で描き出した作品だと感じました。
AIの台頭により人間の創作が埋もれていく恐怖は非常にリアルで深いものであると、改めて感じさせられます。
大量投稿・質の低下・AI判別問題という現代的な悩み、創作のすべての工程がAIに置き換わり、結果的に現場には誰もいなくなるかもしれないという危機感は、創作に携わる人であれば、誰もが1度は感じたことがある感情なのかもしれません。
ところで、ラストで「青山翠雲」こそ本物だと断言する場面には、作者様の希望が宿っておりました。
これこそ、青山翠雲なのかもしれません。