突き動かされるのです

本作を読み、自我の重みを考えます。

私はこう思ってこう行動しました、それは物語の基本です。危機から身を守り生きて帰る、それも物語の基本です。

しかし本作は。自分の意思があろうと衝動に突き動かされ、その行く末は……

偏西風の如く吹き続ける流れに乗り、我が身はその一部でしかありません。

それでも留まらず飛ぶのです。魂か、生まれながらのプログラムか、突き動かされて。

読者は無我の境地を見ます。人世から隔絶した清らかな世界を。

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