『魔物』が跳梁跋扈する現代の日本――前世に武士の記憶を持つ者は法皇様(天皇家)に仕え、本物の太刀を手に『魔物』退治する役目を担っていた。
中学生男子・朝霞国成は、壇ノ浦に出現したという魔物の群れを退治するために名乗り出る。
朝霞の前世は平教経、壇ノ浦の戦いで最後まで武将であり、その場所のことなら誰よりもよく分かるために適任である。
しかし、同時に名乗り出る者がいた。
眞城九郎、同じく中学生。
見た目はまだ幼さの残る成長期前の少年だが、彼の前世は源義経であった。
前世の仇である眞城と組んで出向くことになってしまった朝霞。
前世は前世、そのように割り切ることもできないまま『魔物』退治を始めるが……。
前世の自分と現世の自分……この二つのアイデンティティを持った主人公たちの心の葛藤が見事に描かれた本作。
前世の因縁に振り回され、眞城くんに嫌悪感を抱くも朝霞くん。
そして表面には自分自身の気持ちを出さないけど、複雑な思いを秘めた眞城くん。
二人の主人公が悩み傷つきながら、周囲の人々の助けを借りて『魔物』と戦う姿は、ただの戦闘描写とは違う、成長の物語として心動かされました!
果たして二人は、前世の因縁を越えて、無事に任務を終えることができるのか……!?
是非ともご一読の上、ご確認ください!!!
この国には、そう私達の国には、超常の計らいにより、かつての英雄の記憶を背負って、しかも親の地位に関係なく平凡な家で現代に生まれてくる人間がいる。国はその者達を探しだし、正しき道に導かねばならぬ。故に私達の国には生まれた子の前世を探る制度が存在し……
この荘厳で厳しい設定を背負うシリーズに連なる本作は、一人の少年が二つの人生に引き裂かれる苦しみを突きつけます。
のほほんと生まれ育った現代の人格と、厳しい戦に生涯を閉じた前世の人格。自分の存在が「自分」に侵入され、自分を保つとは何か。保つべきか、保たざるべきか。
さらに登場人物達には肉体においても危機が迫ります。武士として刀を授けられ、我が身で戦う使命を負わされ。
一人の身が二つに引き裂かれると、目の前の相手との関係も引き裂かれます。友か、我が敵(かたき)か。
厳しい定めを背負う少年達の選択と結果をご覧ください。
『前世が平教経(たいらののりつね)だった主人公・朝霞国成(あさかくになり)と、前世で宿敵だった源義経の生まれ変わりである眞城九郎(ましろくろう)がクラスメイト』
――まるで歴史の教科書から飛び出してきたような設定が秀逸な本作。
ぶつかり合いながらも成長していく二人の心情が、とても丁寧に描かれています。
冒頭の軽妙なやり取りから一転、平家ゆかりの地である壇ノ浦での魔物討伐というシリアスな任務が描かれ、その中で明らかになる「魔物」の正体は、読者に大きな衝撃と深い感動を与えます。
前世の因縁と今世での友情の狭間で揺れ動く朝霞くんの葛藤。そして、それを冷静に見守り、時に挑発的に、時に優しく導く眞城くんの飄々とした態度のギャップが、物語をさらに魅力的にしています。
特に、眞城くんの挑発的なセリフの裏に隠された真意が明らかになったとき、読者は二人の関係性の変化を鮮やかに感じ取ることができるでしょう。
ぜひ、彼らの物語を見届けてください。
――もし、前世で殺し合った相手と、現世でチームを組まされたら?
かつて壇ノ浦で戦い、滅び、飛び去った因縁。
平教経と源義経――
今はただの中学生、でもその記憶は、身体の奥底で燻っている。
命じられたのは、壇ノ浦の魔物討伐。
蘇るのは、憎しみか、それとも何か別の感情か。
「奇襲で行こう」と笑う義経の転生・眞城。
「正面から挑む」と言う平教経の転生・朝霞。
再び同じ場所に立つ二人にとって、これはただの『任務』ではない。
食い違う価値観。重なる歩幅。呼び起こされる『あの記憶』。
現代と過去、正義と恨み、剣と剣。
――すべてを斃すのは誰か。
戦いの結末は、歴史が知っているとは限らない。