不老不死とは何だろうか。不治の病が完治したと思ったら新たな苦悩が。永遠の時を生きる物語をどう短編でまとめるのか興味がありましたが、結末に驚きました。しきみは有毒植物で、花言葉は「猛毒・援助する・甘い誘惑」です。その後彼が本当に死ねたのか、しきみがどうなったのか、様々な余韻が残りました。
人魚の肉という日本怪談のモチーフに、主人公の体温と現実感が結びついていて、とてもリアルに感じました。不老不死となり、大切な人を見送り続ける哀しさや、汽水湖で知らぬ間に禁忌を犯してしまう恐ろしさ。読後、湖の音がいつまでも残っているような感覚でした。丁寧に読んでよかったです。
誰かがどこかで聞いてきたような、淡々とした語り口の物語です。一行目から世界に引き摺り込まれ、一気に読みました。
古来より、人魚の肉には不思議な効能があると聞き及びます。もしもそれを食す機に行き合えば、皆様はいかがなさるでしょう? わたくしなら……その誘惑に抗えないかもしれません。そしてある日、気付くことになるでしょう。 「あの時の言葉は、このことを伝えていたのか」、と。 あの言葉は本当に忠告だったのか。あるいは、呪縛だったのでは……と。
病床の男の元に、怪しい商人がやってくる。商人から人魚の肉を押し付けられた商人は。。きれいな文章でつづられた美しい怪異です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(146文字)
人魚の肉という古典的な題材を、因果と執念の物語として静かに、しかし容赦なく描いた一編。生き延びてしまった者の時間の重みと、「近づくな」というたった一つの条件が、後半で鮮やかな恐怖へと反転する構成が印象的です。読み終えたあと、伝承とは何のためにあるのかを考えさせられる、余韻の深い和風怪談でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(133文字)
淡々と告げられる恐怖の文に、数分で背筋に恐怖が宿ります
読後に静かな寒気が残る、上質な和風怪談だと感じました。人魚伝説って読んでよし、書いて良しですね。
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