春にまた会いましょう

高校一年の春、僕は片瀬美緒に出会った。
白いブラウスの袖、淡いピンクのネイル、授業中には見せない素顔。

「教師と生徒」——そんな関係のはずだった。
でも、学校の外で偶然出会ってしまったその日から、俺の中で何かが変わり始めた。

わざと通る駅の道、雨の降る午後、知ってしまったマンションの場所。
「好き」なんて言えるはずがない。
それでも、先生のいない午後、俺はあなたに触れたかった。

——これは、触れられそうで触れられない、春の物語。