伝説のお蕎麦を食べるには? 第一の門を突破しても、恐るべき第二の門が!
- ★★★ Excellent!!!
主人公かわいそう。どうしたらいいの……って、読み終えた後に一緒に考えてあげたくなりました。
主人公は「伝説のお蕎麦屋さん」の話を聞き、それを食べたいと強い欲望を持つようになる。
あるデパートの社員食堂であるため、特別に「内部の人」として受け入れられないと食べることができない。
そのために必死に努力をし、デパートの社員食堂に入ることに成功するのだが……。
「あまりにも美味しい〇〇」、「〇〇時間並ばないと入れないお店」、「予約に〇〇ヶ月」とかはよく聞く話です。
そして実際に食べてみると、「まあ、こんなものかね」というが大概。
今回のお蕎麦屋さんは、果たして本当に伝説と呼ばれるほどの味があるのか。それを検証するだけでも価値がありそうですが、その先で主人公が見たものは。
これはなんと厄介な、と描写を見る度に強く感じさせられました。
どうやったら美味しくお蕎麦を食べられるのか。
意外なオチと、圧倒的な共感性。果たして自分がそういう場面に遭遇したらどうするか。主人公に対してとてつもなく親身になってしまう、強い吸引力のある物語でした。