今では「当たり前」のものだけど、その「ありがたみ」が改めて伝わります

 読んでいてとてもワクワクしました。

 テレビ。今では当たり前になり過ぎて、むしろ「テレビ離れ」とか言われて前時代のように扱われ始めているもの。
 でも、これが世の中に現れた時には、いかに多くの人々の心を震わせたか。

 本エッセイではそんなテレビなどの家電がそれぞれの家庭にやってきた時のエピソードが語られていくことになっていきます。

 テレビというものが家に来て、「少年ジェット」だとかの番組が流れるのを見た時。その時の感動はいかほどのものだったろうかと、「その時」を想像してすごく心を揺さぶられるものがありました。
 
 テレビの中には人が入っているんじゃないかとかも想像しちゃうし、中で人が動いていて喋っているのがリアルタイムで聞こえてくるとか、本当に改めてすごいことなんだな、と実感しました。

 そして洗濯機やお風呂など。今の時代で便利になったものと、前の時代の「五右衛門風呂」とかが持つそれ独特の味わいなど。

 とにかく「今の時代」では当たり前になっているからこそ、改めてそれを見つめ直してみたくなりました。
 身近にあるもののありがたみがわかり、「当たり前の日常」が愛おしく感じられるエッセイでした。

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