火を熾すように
- ★★★ Excellent!!!
世界は隠された驚異に満ちている。
雪の結晶。海岸線の自己相似。輝く星々の泡構造。
それを物理的合理性の帰結と考えるのは正しく、そして普遍的だ。
けれど、それを崇高な作り手による美しい作品と捉えるのも素直で自然な態度といえ、
どのような意図、どのような想いでそれを作ったのだろうと思いを巡らすのもまた、
心というものを持つ、人間らしい反応といえる。
物に心はない。
そこに喜びや悲しみが宿っているように思えるのは、
鏡を覗き込むように、それを見る者の心に感情が兆すからだ。
結晶の細やかさ。自己相似の健気さ。泡構造の偉大さ。
――もし作り手がいるならば、なんの想いもなくそれらを作り上げたはずがない。
そう思えるのは、そう思ってくれるのは、そこに見る者がいるから。
豊かで鮮やかなイメージによって作られた「世界」たち。
導きの神ココはその地へ精霊を誘う。
「世界」が色褪せないように。意味を失わぬように。
あなたも読者となり、見る者となれば、
きっと彼女たちの奮闘の手助けになることでしょう。