自分の"生きたい"と思える世界とは──精霊たちと異世界巡りの幻想旅

"導きの神"として新たに生を受けた、元人間のココ。

彼女は精霊たちと世界を巡り、転生先へ導いていく新米の神だった。

落ち着きある姿と裏腹に「何が正解か」を悩み、たまに回り道して精霊とお話して、かけがえのない"何か"を得ていく。
ヒトと神様の感性の間で揺れる真面目な性格や、精霊とお話する姿にほっこりします。進めば進むほど、キャラの最初とのギャップに笑い過多に(第三章まで読了)

タイトルとキャッチコピーから滲み出る空気感も、ぜひ堪能していただきたいっ!
清廉な、たおやかな──純文学寄りの文体がやさしーく心に沁みます。作者さまの詩的な感性に癒されます❀ 言うなれば吟遊詩人かと!

特筆したいのは、1つ1つの描写や旅する世界の雰囲気、哲学的な要素のどれをとっても、幻想的で美しい綴りなのです⸝⋆⸝⋆

異世界ファンタジー系で「〇〇といえば」は多々浮かびますが⋯⋯旅のお供や、移動する乗り物に至るまでユニークで、精霊と神様にどんどん愛着が湧きます。

ゆっくり距離が詰まり展開していく彼女たちの物語。

目まぐるしい現実から、すこーしお休みしたい方へ。ストッパーなく、本当に自分自身のやりたいことや過ごしたい場所を考える時間を、作中で旅をしながら描けますよ❀

どうぞ、ご一読を。
よい旅路となりますように。

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