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ランキング巡回ログ #4 ~丁寧に作られた競馬ファンタジー~

競馬の話だと思って読み始めた。
気がつけば、馬たちの成長を応援していた。


今日のランキング巡回で開いたのはこちらの作品。

『就職先が倒産したので牧場を継いだら、俺だけ馬の声が聞こえるようになりました』
https://kakuyomu.jp/works/822139846571948770

前書きを読むと、作者は実際の競馬知識はないそうだ。
競馬を題材にしたゲームや漫画の知識程度とのこと。
まさに私と同じ程度の知識なので、逆に楽しめるのではと思い読み始めた。

ジャンルは現代ファンタジーで、主人公が競走馬を生産している家業の牧場を継ぐところから物語が始まる。
しかしこの作品、主人公は馬の言葉が分かる。この設定がまず面白い。
馬という存在が「会話できるキャラクター」として立ち上がるからだ。

昔あった漫画の『みどりのマキバオー』を思い出した。
雰囲気としては『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』が近いかもしれない。


読み始めてすぐ、これは当たりだと感じた。
特に良かったのは、馬たちが単なる動物ではなく“キャラクター”として立ち上がっている点だ。

馬の気持ちがわかる主人公の発言力を高めるため、そして居心地のいい牧場を守るためにレースで勝とうと頑張る牝馬、ストーン姉さん。
無敗の三冠馬を目指しながらも、デビューしてみれば思うように勝てず落ち込む牡馬、厨二病クラウン。

主人公だけでなく馬たちも成長していく。

コミカルなだけでなく、ちゃんと物語として読ませてくれる。
ストーリーの組み立ても丁寧だ。

「馬の声が聞こえる」という設定を見たときは軽いファンタジーだと思った。
だが読み進めるうちに、この物語の魅力はむしろ牧場のリアリティの方にあると気づかされた。
日常の積み重ねや仕事としての牧場運営が丁寧に描かれているからこそ、世界に説得力が生まれている。

作者は実際の競馬知識はないと語っている。
それでも、きちんと調べて構成しているのが伝わってきて、読んでいて違和感がほとんどない。


さらに面白いのがコメント欄だ。
競馬や牧場に詳しい読者が、実際の競馬の話を交えながらコメントしている。

それを眺めながら読むと、作品世界が少し現実につながるような感覚がある。
作品と読者が一緒に世界を補強しているようで、非常に面白い体験だった。
コメント欄を一緒に楽しめるのは、カクヨムならではの面白さかもしれない。

細部まで解像度高く作られていて、安心して読める作品だった。

これは久しぶりに良い作品に出会えたと思う。
さっそく☆3でレビューも書いてしまった。
https://kakuyomu.jp/works/822139846571948770/reviews/2912051596761768589

競馬や牧場を題材にした物語が好きな人、そして動物たちの視点や成長物語を楽しみたい読者には、特におすすめできる作品だと思う。

現時点でまだ30話超で連載中。これからも追いかけていきたい。
こういう作品と出会えるから、ランキング巡回はやめられない。

さて、次はどんな作品に出会えるだろうか。
今日もまた、ランキング巡回の続きだ。

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