読者の皆様、作者の皆様、ごきげんよう!
『自由のアリア』トップオタ兼作者のカラノニジです!
今回は国について解説しますしますします!
以前、この世界が円環状……ドーナッツ型であることは説明しました。
そのドーナッツを四分割したのが、四大国!
ガルドア王国、アイラン皇国、エトノーシア法国、そして――
『自由のアリア』第一部の主な舞台にして、アリアちゃんたちが現在拠点にしている国。
イドリア帝国!!
というわけで今回は、アニュラス大陸北方に位置する〈イドリア帝国〉について語っていこうと思います!
イドリア帝国。
帝国。
なんだか強そうですね!
国名に「帝国」とついているだけで、軍隊! 皇帝! 巨大兵器! 悪の組織! みたいな物騒なイメージが湧いてきます。
偏見です。
しかし、実際に軍事力も技術力も高い大国なので、そこまで間違ってはいません。
さて。
イドリア帝国と聞いて、まず思い浮かぶものは何でしょうか?
雪!
氷!
吹雪!
極寒!
アリアちゃんの機嫌が悪い!!
大体合っています。
アニュラス大陸北方に位置するイドリア帝国。その地はかつて、黒い岩肌と白い雪原しかない〈黒と白の大地〉と呼ばれていました。
人間が住むことを、自然環境が全力で拒否してくる寒さ。
大地から「帰れ」と言われているような土地です。
では、なぜそんな場所に大国が存在しているのでしょうか?
寒くて住めないのであれば、もっと暖かい場所へ移住すればいい。
普通はそう考えます。
ですが、約千年前。
後にイドリア帝国の建国者となる、四人の勇者の一人〈ミナ・イドリア〉は違いました。
寒くて人が住めない?
ならば――。
太陽を作ればいいじゃない!!
発想がデカい!!
そしてイカれた天才!
こうして生み出されたのが、巨大魔導装置。
人工太陽〈モノ・ソル〉です!
太陽って作れるんだ……。
作ったんです。
ご用意していただく材料は
・無尽蔵の魔力を内包する大巨龍の魔石
・伝説の不滅の金属〈オリハルコン〉
・あと莫大な資金と、形にする技術者
……明らかなオーパーツですね。
「寒いなら、暖かい土地へ行けばいい」
そんな常識に対して、
「いや、太陽を作るが?」
と返した国。
それがイドリア帝国です。
発想が天才なのか、脳筋なのか……。
もうわかんねぇな?
さて、〈モノ・ソル〉。
名前は単純ですね。
モノ=mono
ギリシャ語の「monos(ひとつの、単独の)」に由来する言葉です。
ソル=sol
ラテン語なんかでそのまま「太陽」を意味しています。
『ひとつの太陽』
偽物の太陽の癖になかなか傲慢な命名ですね。
そしてこちら、太陽を名乗っていますが、実際のところは超高性能な暖房装置です。
高度も光度もそれほどではなく、遠方まで届くのは熱のみ。
分厚い雲に隠された本物の太陽の光を、人工太陽が補っている形ですね。
「じゃあ首都はずっと白夜なの?」
いいえ、ちゃんと時間にあわせて光源にフィルターがかかるらしいです。
便利~。
現在、首都〈エテル・イドリア〉を照らしているのは、初代〈モノ・ソル〉から数えてver3.0にあたる〈モノ・ソル・ミナ〉。
その光と熱によって、首都を中心とした国土中央部には、比較的温暖な気候が保たれています。
ここで重要なのが「首都を中心に」という部分です。
普通、気温は緯度や標高によって変化します。
北へ行けば寒く、山へ登れば寒く……それが自然です。
しかし、イドリア帝国では事情が違います。
この国の気候は、東西南北ではなく、
『エテル・イドリアからどれだけ離れているか』
によって決まるのです!
首都周辺は温暖。離れるほど寒冷。外周部は極寒。
巨大な暖房器具を中心に、同心円状に気候帯が広がっているわけですね。
首都から遠ざかるほど、暖房が効かなくなる。
急に庶民的な話になりました。
第一章の舞台ファルメルがあれだけ寒いのも、首都から遠く、人工太陽の恩恵が弱い辺境だからです。
アリアちゃんは、そんな極寒の国に住んでいるくせに極度の寒がり。
一話から「辺境も暖まるように調整しろ」とキレ散らかしていましたね。
……実は、イドリア帝国も過去にそれに挑戦したことがあります。
それがver2.0の〈モノ・ソル・イドラ〉です。
しかし、失敗しました……。
この失敗から〈魔紋認証〉システムが開発されたりしたのですが、その辺は、また今度。
はい、宿題がまた積み上がりました(様式美)
さて、この同心円状の特殊な気候は、人々の生活だけでなく、イドリア帝国の生態系にも大きな影響を与えています。
国土の外周を取り囲む極寒地帯は、人間にとって過酷なのはもちろん、多くの動植物にとっても越えられない壁。
外から生物が入ってこない。
中の生物も外へ出ていかない。
国境審査官は寒波!
その結果、イドリア帝国では千年をかけて、外部から半ば隔離された独自の生態系が形成されました。
ガラパゴス化ってぇやつです!
首都周辺には寒冷地に適応した短い草原。
少し離れれば針葉樹林。
さらに外周へ進めば、雪と氷と黒い岩肌だけの世界。
同じ国の中でありながら、首都からの距離によって景色がまるで変わるわけですね。
そして、そんな過酷な大地の下には、豊富な鉱物資源が眠っています。
第一章の舞台である〈ブラックロックマウンテン〉も、良質な黒鉄鉱石を産出する重要な鉱山でした。
寒かろうが、掘れば資源が出るなら人間は掘るしかない!!
こうしてイドリア帝国では、鉱業、鍛冶、魔道具研究といった技術が発展していきました。
魔導列車。
魔力灯。
暖房用の魔道具。
鉱石を加工する巨大な炉。
厳しい自然を人力だけで乗り越えるのではなく、魔法と技術によって補う。
イドリア帝国の技術力は、贅沢や学者の道楽から生まれたものではありません。
なければ生きていけないから、作った。
寒いから暖める。
暗いから照らす。
重いから機械で運ぶ。
生存に必要だから、研究する。
つまり、イドリア帝国の技術とは――。
だいたい寒さへの逆ギレです!
自然が厳しいほど、技術は進歩する。
人間を寄せつけなかった黒と白の大地は、人工太陽に照らされ、やがてアニュラス四大国の一角を占める強大な帝国となりました。
……しかし。
国の中心を暖め、人々の生活そのものを支えているのが、たった一基の巨大魔導装置。
そう考えると、ちょっと怖くありませんか?
もしも、人工太陽が止まったら?
もしも、その光が失われたら?
――なんて。
想像したくもないので、この話はここまでにしておきましょう。
というわけで、まとめです。
極寒の地に、人間が太陽を作って築き上げた国。
首都から離れるほど寒くなる、同心円状の気候。
極寒の壁に閉ざされた、独自の生態系。
そして、厳しい自然への逆ギレから発展した鉱業と魔法技術。
これが、アリアちゃんたちの暮らす〈イドリア帝国〉です!
設定を知ってから本編を読み返すと、第一章に登場する雪原、鉱山、黒鉄、魔力灯、魔導列車といったものが、単なるファンタジー風の背景ではなく、
「人間がこの土地で生きていくために積み上げてきたもの」
として、少し違って見えてくるかもしれません。
それでは皆様、引き続き『自由のアリア』をよろしくお願いいたします!
イラストは生成AIを使用しています
