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第二十二回【世界観設定】イドリア帝国①「寒いなら太陽を作ればいいじゃない」

読者の皆様、作者の皆様、ごきげんよう!
『自由のアリア』トップオタ兼作者のカラノニジです!

今回は国について解説しますしますします!

以前、この世界が円環状……ドーナッツ型であることは説明しました。
そのドーナッツを四分割したのが、四大国!

ガルドア王国、アイラン皇国、エトノーシア法国、そして――

『自由のアリア』第一部の主な舞台にして、アリアちゃんたちが現在拠点にしている国。

イドリア帝国!!

というわけで今回は、アニュラス大陸北方に位置する〈イドリア帝国〉について語っていこうと思います!

イドリア帝国。

帝国。

なんだか強そうですね!

国名に「帝国」とついているだけで、軍隊! 皇帝! 巨大兵器! 悪の組織! みたいな物騒なイメージが湧いてきます。

偏見です。

しかし、実際に軍事力も技術力も高い大国なので、そこまで間違ってはいません。

さて。

イドリア帝国と聞いて、まず思い浮かぶものは何でしょうか?

雪!

氷!

吹雪!

極寒!

アリアちゃんの機嫌が悪い!!

大体合っています。

アニュラス大陸北方に位置するイドリア帝国。その地はかつて、黒い岩肌と白い雪原しかない〈黒と白の大地〉と呼ばれていました。

人間が住むことを、自然環境が全力で拒否してくる寒さ。

大地から「帰れ」と言われているような土地です。

では、なぜそんな場所に大国が存在しているのでしょうか?

寒くて住めないのであれば、もっと暖かい場所へ移住すればいい。

普通はそう考えます。

ですが、約千年前。

後にイドリア帝国の建国者となる、四人の勇者の一人〈ミナ・イドリア〉は違いました。

寒くて人が住めない?

ならば――。

太陽を作ればいいじゃない!!

発想がデカい!!

そしてイカれた天才!




こうして生み出されたのが、巨大魔導装置。

人工太陽〈モノ・ソル〉です!

太陽って作れるんだ……。

作ったんです。

ご用意していただく材料は

・無尽蔵の魔力を内包する大巨龍の魔石
・伝説の不滅の金属〈オリハルコン〉
・あと莫大な資金と、形にする技術者

……明らかなオーパーツですね。

「寒いなら、暖かい土地へ行けばいい」

そんな常識に対して、

「いや、太陽を作るが?」

と返した国。

それがイドリア帝国です。


発想が天才なのか、脳筋なのか……。
もうわかんねぇな?


さて、〈モノ・ソル〉。

名前は単純ですね。
モノ=mono
ギリシャ語の「monos(ひとつの、単独の)」に由来する言葉です。

ソル=sol
ラテン語なんかでそのまま「太陽」を意味しています。


『ひとつの太陽』
偽物の太陽の癖になかなか傲慢な命名ですね。


そしてこちら、太陽を名乗っていますが、実際のところは超高性能な暖房装置です。

高度も光度もそれほどではなく、遠方まで届くのは熱のみ。

分厚い雲に隠された本物の太陽の光を、人工太陽が補っている形ですね。

「じゃあ首都はずっと白夜なの?」

いいえ、ちゃんと時間にあわせて光源にフィルターがかかるらしいです。

便利~。


現在、首都〈エテル・イドリア〉を照らしているのは、初代〈モノ・ソル〉から数えてver3.0にあたる〈モノ・ソル・ミナ〉。

その光と熱によって、首都を中心とした国土中央部には、比較的温暖な気候が保たれています。

ここで重要なのが「首都を中心に」という部分です。

普通、気温は緯度や標高によって変化します。

北へ行けば寒く、山へ登れば寒く……それが自然です。

しかし、イドリア帝国では事情が違います。

この国の気候は、東西南北ではなく、

『エテル・イドリアからどれだけ離れているか』

によって決まるのです!

首都周辺は温暖。離れるほど寒冷。外周部は極寒。

巨大な暖房器具を中心に、同心円状に気候帯が広がっているわけですね。

首都から遠ざかるほど、暖房が効かなくなる。

急に庶民的な話になりました。

第一章の舞台ファルメルがあれだけ寒いのも、首都から遠く、人工太陽の恩恵が弱い辺境だからです。

アリアちゃんは、そんな極寒の国に住んでいるくせに極度の寒がり。

一話から「辺境も暖まるように調整しろ」とキレ散らかしていましたね。

……実は、イドリア帝国も過去にそれに挑戦したことがあります。

それがver2.0の〈モノ・ソル・イドラ〉です。

しかし、失敗しました……。

この失敗から〈魔紋認証〉システムが開発されたりしたのですが、その辺は、また今度。


はい、宿題がまた積み上がりました(様式美)



さて、この同心円状の特殊な気候は、人々の生活だけでなく、イドリア帝国の生態系にも大きな影響を与えています。

国土の外周を取り囲む極寒地帯は、人間にとって過酷なのはもちろん、多くの動植物にとっても越えられない壁。

外から生物が入ってこない。

中の生物も外へ出ていかない。

国境審査官は寒波!

その結果、イドリア帝国では千年をかけて、外部から半ば隔離された独自の生態系が形成されました。

ガラパゴス化ってぇやつです!

首都周辺には寒冷地に適応した短い草原。

少し離れれば針葉樹林。

さらに外周へ進めば、雪と氷と黒い岩肌だけの世界。

同じ国の中でありながら、首都からの距離によって景色がまるで変わるわけですね。

そして、そんな過酷な大地の下には、豊富な鉱物資源が眠っています。

第一章の舞台である〈ブラックロックマウンテン〉も、良質な黒鉄鉱石を産出する重要な鉱山でした。

寒かろうが、掘れば資源が出るなら人間は掘るしかない!!

こうしてイドリア帝国では、鉱業、鍛冶、魔道具研究といった技術が発展していきました。

魔導列車。

魔力灯。

暖房用の魔道具。

鉱石を加工する巨大な炉。

厳しい自然を人力だけで乗り越えるのではなく、魔法と技術によって補う。

イドリア帝国の技術力は、贅沢や学者の道楽から生まれたものではありません。

なければ生きていけないから、作った。

寒いから暖める。

暗いから照らす。

重いから機械で運ぶ。

生存に必要だから、研究する。

つまり、イドリア帝国の技術とは――。

だいたい寒さへの逆ギレです!

自然が厳しいほど、技術は進歩する。

人間を寄せつけなかった黒と白の大地は、人工太陽に照らされ、やがてアニュラス四大国の一角を占める強大な帝国となりました。

……しかし。

国の中心を暖め、人々の生活そのものを支えているのが、たった一基の巨大魔導装置。

そう考えると、ちょっと怖くありませんか?

もしも、人工太陽が止まったら?

もしも、その光が失われたら?

――なんて。

想像したくもないので、この話はここまでにしておきましょう。

というわけで、まとめです。

極寒の地に、人間が太陽を作って築き上げた国。

首都から離れるほど寒くなる、同心円状の気候。

極寒の壁に閉ざされた、独自の生態系。

そして、厳しい自然への逆ギレから発展した鉱業と魔法技術。

これが、アリアちゃんたちの暮らす〈イドリア帝国〉です!

設定を知ってから本編を読み返すと、第一章に登場する雪原、鉱山、黒鉄、魔力灯、魔導列車といったものが、単なるファンタジー風の背景ではなく、

「人間がこの土地で生きていくために積み上げてきたもの」

として、少し違って見えてくるかもしれません。

それでは皆様、引き続き『自由のアリア』をよろしくお願いいたします!



イラストは生成AIを使用しています

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