読者の皆様、作者の皆様、ごきげんよう!
『自由のアリア』トップオタ兼作者のカラノニジです!
魔法!属性!精霊!六芒星!
……と、ここ最近ずーーっと設定の話ばかりしていましたので、そろそろ本編に帰りましょう。
今回は久々の章タイトル解剖!
第三章『赤熱する鋼鉄(ハート)と穿つ狩人』について語っていこうと思います!
では早速。
『赤熱する鋼鉄(ハート)と穿つ狩人』
表面だけ読めば、かなりそのままです。
第三章の主役となるアイテムは、〈鐵喰い〉から得られた謎の金属。後にマノンによって〈魔鉄〉と判明します。
そして後半で登場するのが、弓を持った狩人ジーン。
つまり〈赤熱する鋼鉄〉=鍛冶、〈穿つ狩人〉=ジーン。
はい!終わり!
……ではありません。
流石にそんな素直なタイトルを私が付けるわけがない。
わざわざ『鋼鉄』に『ハート』なんてルビを振っている時点でね。
えー。シンキングタイムを取りますので、自分で考えたいなんていう殊勝な方。
ネタバレアレルギーの方はお戻りください。
……はい。
①文字通りの〈魔鉄〉!!
鉄は炉へ入れられ、赤く熱され、打たれ、形を変え、より硬く、より鋭いものへ鍛えられていく。
前回の〈六精配置図〉で出てきた言葉を使うなら、火と地の〈鍛錬〉ですね。
第三章は、まさに〈鐵喰い〉という怪物の身体から取り出した魔鉄が、武器へ生まれ変わるために炉へ入っていく章です。
しかし、赤熱しているのは、鉄だけではありません。
②マノン
初登場時のマノン婆さん、だいたい酒飲んでましたね。
仕事を頼んでもやる気なし。客も取らない。工房に籠もって酒を飲んでいる。
そこへアリアちゃんが持ち込んだのが、〈竜火酒〉と〈魔鉄〉。
炉に燃料と素材を放り込んだら、鍛冶職人まで燃え始めました。
面白い素材を前にして、止まりかけていた職人の心に再び火が入る……。
赤熱する〈鋼鉄(ハート)〉とは、マノン自身でもあるわけです。
③ジーン!
エステルを見た瞬間、心奪われて……。
以上。。。お前だけ意味がうっすいな!?
とはいえ、ハートが赤熱したのは間違いありません。
しかも後半の『穿つ狩人』も、そのままジーンを指しています。
一矢で三羽を射抜き、空へ放った矢をさらに別の矢で撃ち落とす。
アリアたちが「空を飛ぶグリフォンをどうやって墜とす?」と悩んでいたところへ現れた、遠く離れた一点を正確に〈穿つ〉男、あるいはエステルにハートを穿たれた男!
第三章タイトルの右半分は、ほぼコイツです。
一番重要なのは四つ目!
アリアちゃん。
これは皆さんわからなかったのではないでしょうか?
三章だけを切り取って見ると、アリア自身にはそれほど大きな事件が起きていません。
過去が明かされるわけでもない。新しい能力に覚醒するわけでもない。〈鐵喰い〉戦のような死闘があるわけでもない。
……ですが、一章から並べると少し違って見えます。
一章で、一人だったアリアにガロードが押し付けられる。
二章で、空からエステルが降ってきた。
そして三章で、ジーンと出会う。
『アリア』とは、本来〈独唱〉です。
一人で歌うもの。
一人でいるはずの彼女の周囲に、少しずつ人が増えていく。
しかも第四章では、アリアがエステルに〈マジックバッグ〉を背負わせています。
ただ荷物持ちにしただけ?
もちろん、それでもあります。
ですがアリアは、自分が持っていた荷物を初めてエステルへ「任せた」。
そして、エステルを(カバンごと)自分が「守る」と決め、いつの間にか側に立っています。
一人で全部を抱えて、一人で全部を決めて、一人で生きようとしていた人間が、他人へ何かを預け、他人を自分の責任の中へ入れ始めている。
変わっています。
まだ完成形ではありません。
でも、確実に変わり始めている。
ここでまた前回の魔法体系に戻ります。
火と闇の共有特性は〈変質〉。
アリアの適性そのものですね。
だから『赤熱する鋼鉄(ハート)』の『赤熱』は、単に「熱く燃える」という意味だけではありません。
熱を加えられ、これまでとは別の形へ変わっていくこと。
つまり、赤熱しているのはアリア自身の『ハート』でもあります。
まだ叩かれている途中で、まだ何になるのかも分からない。
でも、一人だった『アリア』は、少しずつ独唱ではなくなっている。
そんな意味も込められた第三章タイトルです。
本人が知らないところで象徴にされる主人公。
主人公とはそういうものです。
というわけで、第三章『赤熱する鋼鉄(ハート)と穿つ狩人』。
鍛えられる魔鉄。
再び熱を取り戻す鍛冶師。
恋に焼かれる狩人。
そして、仲間という熱の中で少しずつ形を変え始める〈独唱〉。
それら全部をひっくるめて『赤熱する鋼鉄(ハート)』です。
第三章まで読み終えた今なら、最初にタイトルを見た時とは少し違って見える……かもしれません。
イラストは異世界ファンタジー週間ランキング343位記録&カクヨム5000PV &100ブックマーク記念イラストです。
作者絵ですよ~!みなさま本当に応援ありがとうございますっ!引き続き『自由のアリア』をよろしくお願いいたします!!ではまた次回!
