読者の皆様、作者の皆様、ごきげんよう!
『自由のアリア』トップオタ兼作者のカラノニジです!
少し間が空いてしまいました。
近況ノート、更新せねば……と思っているうちに日が過ぎていく。
それもこれも近況ノートに保存機能がないからですよ?わかってますか?カクヨムさん?
と、近況が近況でなくなる前に戻ってまいりました!
さて、今回はファンタジーのお約束!
〈二つ名〉についてのお話です。
〈厄病神〉〈黎明〉〈爀熱〉〈黒牢〉〈閃光〉〈薄氷〉〈烏の目〉……
……二つ名って厨二心をくすぐりますよね?私だけですか?
心の中の中学二年生がワクワクするのは。
〈沈黙〉のガロード!
〈星砕〉のフィリス!
そして、〈ババ抜き〉のアリア!
おっ?トランプ大会かな?(スッとぼけ)
強そうなものから、身も蓋もないものまで。
作中では当たり前のように呼ばれていますが、これ、一体誰がつけているのでしょうか?
冒険者ギルドの偉い人が、功績を称えて授けてくれる?
昇格すると、格好いい名前が一個もらえる?
残念ながら、そういう制度ではありません。
冒険者の等級は、ギルドによって認定されるもの。
一方、二つ名は、その人の逸話や特徴などに紐付いた呼び名です。
ざっくり言えば、あだ名ですね!
ただし、その広まり方には、大きく二つのパターンがあります。
まず一つ目。
本人が意図して広めるもの。
自称です。
……と書くと、急に胡散臭くなりますね。
ですが、冒険者にとっては立派な自己PRです!
自分が何を得意としているのか。
どんな戦い方をするのか。
どんな仕事をしてきたのか。
そういった自分の売りを、覚えてもらいやすい名前にして広める。
冒険者は、仕事を受けて飯を食っている人たちです。
依頼する側に自分を覚えてもらうことも、自分の得意分野を知ってもらうことも大事。
二つ名は、そのための看板にもなるわけですね。
名刺に名前だけ書いてあるよりも、「何ができる人なのか」が分かった方が、仕事を頼みやすいでしょう?
まあ、看板ばかり立派でも困りますが!
名前の格好よさで魔物が倒せるなら、全員もっとすごいのを名乗っています。
浸透するかは実が伴っているか次第ですね。
そして二つ目。
周囲の人たちが呼び始めるもの。
こちらは、他人からの評価です。
あの人は何が得意。
あの人はこんなことをした。
あの人はいつもこうだ。
冒険者や依頼主たちの間で、そういう話が広まるうちに、呼び名が定着していく。
この場合、本人が気に入っているかどうかは、また別のお話です。
世間は、本人の命名センスにも希望にも、いちいち配慮してくれません。
大活躍を称える名前がつくこともあれば、変な癖や失敗ばかりが有名になってしまうこともある。
本人がどれだけ格好よく名乗っても、周りが覚えているのは別の呼び名だったりするわけです。
自己PRと口コミの温度差!!
つらい!!
では、なぜこの世界では、そんな「あだ名」が重宝されるのでしょうか。
本名で呼べばいいじゃん?
ごもっともです。
ですが、本名を聞いたところで、その人が何者なのかまでは分かりません。
対して、二つ名には、その人を示す逸話や評判がくっついています。
「あの仕事をやってのけた人」
「あの技を使う人」
「ああ、いつもあんなことをしている人!」
名前と一緒に、相手を判断する材料まで伝わる。
だから、ただ本名を名乗られるよりも、二つ名の方が信用しやすいことがあるのです。
もちろん、「二つ名を持っている人は全員いい人」という意味ではありませんよ?
何をやってきた、どういう人物なのか。
その評判と本人とを結び付けやすい、という話です。
悪い評判でも、人物の特徴がよく伝わってしまうことはありますからね……。
ところで皆様、小学生の頃を思い出してください。
あだ名が馴染みすぎて、クラス中がその名前で呼んでいる子、いませんでしたか?
毎日顔を合わせ、どんなやつかも知っていて、毎日話している。
なのに、ある日ふと、「あれ……こいつ、本名なんだっけ?」となる。
アレです。
立派な鎧を着ていようが、巨大な剣を背負っていようが、やっていることは案外、小学生の教室と変わりません。
遠くの街で本名を名乗っても誰も知らないのに、二つ名を出した途端に「ああ、あの人か!」と通じる。本名よりあだ名が強い。
ファンタジー世界でも、人間の覚え方はそんなものです。
さて、ここで作中の二つ名を見てみましょう。
〈沈黙〉のガロード。
沈黙しているから、〈沈黙〉。
分かりやすい!!
強力な魔法を使う男なのに、周囲がまず覚えるのは「喋らないやつ」である。
魔法の腕前以前に、打ち合わせで一言も喋らない方が印象に残る。
まあ、そりゃそうか……。
*全然関係ないですが、セガール様の沈黙シリーズでは暴走特急が好きです。
そして、〈ババ抜き〉のアリア。
厄介者という名のババを、次から次へと引き当てるから〈ババ抜き〉。
こっちも分かりやすい!!
分かりやすいけど、本人には何一つ嬉しくない!!
なお、アリアちゃんは、別に有名になりたいわけではありません。
なので本名が知れ渡るよりはマシにしても二つ名なんて元々ノーサンキュー。
なのに、面倒事に巻き込まれているうちに、自分から売り込んだ名前でも、欲しくて手に入れた称号でもない不名誉な物が定着してカチキレています。
踏んだり蹴ったりですね。
普通のババ抜きは、ババを手放したいゲームなんですが。
なんでこの人、集める側になってるんでしょうね……。
では、〈星砕〉のフィリスは?
沈黙しているから〈沈黙〉。
ババを引くから〈ババ抜き〉。
ということは……。
星を砕いたから〈星砕〉!?
急に規模がデカい!!
それはもう冒険者ギルドで受付嬢に怒鳴り込んでいる場合ではないのでは!?
……こちらは、彼女の使う「技名」に関係しています。(わ、技名……?)
ただし、詳しく説明すると先のお話に触れてしまうので、今回はここまで!
覚えておいていただけると、いつか「ああ、そういうことか」となるかもしれません。
というわけで、今回は〈二つ名〉のお話でした!
本人が掲げる、冒険者としての看板。
周囲の人たちが広める、その人への評価。
そんな呼び名が、いつしか本名よりも、その人をよく表すものになっていく。
格好いい名前の後ろにも、変な名前の後ろにも、それぞれに理由があります。
ただし、自分が呼ばれたい名前で呼んでもらえるとは限りません。
アリアちゃんには……強く生きてほしいですね……!
それでは皆様、引き続き『自由のアリア』をよろしくお願いいたします!
画像は前回同様、バニーの日に出られなかった〈厄病神〉のニーコさんです……(拝み)
*本イラストは生成AIを利用しております。
