「#犯罪 ＃短編」を含む小説

俺の言う場所で鍵を開けろ、と岸田は言った。 僕の右手が鍵を開けられるからだ。 僕の居場所がどこにもなかったからだ。 僕の隣に紫苑がいたからだ。 鍵を開け、火を点ける。金を得て、部…

完全犯罪は簡単です。 だって裁かれなければいいのだから

『ウェーイ！！　オタク君、見てる～～？？』 「なん……だよ……これ」 　　差出人不明の動画越しに俺―――花井周次郎（はない　しゅうじろう）は、幼馴染兼彼女の北海ミヒロ（きたう…

「「断る」 　そう言って俺・護（まもる）は、幼馴染でありかつての恋人・美継（みつぐ）の寄りを戻そうという頼みを一蹴した。 　俺たちが別れたのは金持ちの男に美継を寝取られたから…

　のんべんだらりと生きてきたツケだろうか、大変困った事になってしまった。 　カード支払いのために金をおろそうとしたところ、エラー。口座残高がなくなっていた。犯罪によって不正に引…

頭部の怪我で記憶を失った女子高生、真咲。 自分の家もわからなくなってしまった彼女は、自分を救ってくれた男、隼人の家でともに暮らすことになる。 優しさを見せる一方で、どこか危うい隼…

高校一年生の堤由成は、とある目的をもって化学準備室に忍び込む。 無人だと思っていたそこには、変な女がいた――。 舞台は一九九五年、とある高校の化学準備室。 そこで始まったのは、…

幼馴染で恋人だった彼女が、ある日、クラスで一番のイケメンとラブホテルから出てきた。 翌日、僕は“性犯罪者”としてクラスで吊し上げられる。 嘘と誤解、裏切りと沈黙――追い詰められた…

ファアストシティ――誰がそう呼んだかも忘れられた旧き街。空は公害雲に覆われ淀み暗く、地上は犯罪という悪意と血に染まる、いつか朽ち果て終わることを約束された街。 そんな街で便利屋…

「断る」 　そう言って彼・岸郎（きしろう）は、幼馴染でありかつての恋人である私・正子（まさこ）の寄りを戻そうという頼みを一蹴した。 　無理もない。 　そもそも私たちが別れたの…

「犯罪小説の女王」と呼ばれた作家・神崎冴子が亡くなった。享年七十八。 彼女の小説には、常に同じ女が死んでいた。黒い髪、白い肌、深い湖を思わせる眼差し——五十年間、名前を変えながら…

カクヨム11参加作品です。 1話2000文字以下、サクッと読める短編集です。 とある街にある、一見何の変哲もない本屋さん。 外見とは裏腹に、在庫は何十万冊もあり来れば欲しい本…

カクヨムコン10　短編　中間選考通過作品　 主人公の「俺」は雪の降る夜に死体を埋めるために山に入る。 山岳部出身であるためで普通では入ることが難しい場所を探し出し、「完璧なア…

某有名小説サイト、カク●ムを退会することに決めた私は、とある一人のユーザーが目についた。 明らかに自分がフォローしたはずなのだが、よく覚えていない。 気になってそのユーザーのサイ…

タイトル通り、キャッチコピー通りのフィクションです。 ※SFホラーと感じられる方もいるかもなので残酷描写有りにしています。 ※お読み頂ければ明らかでしょうが、人身売買等、今現在の…

ひょこひょことお茶目な刑事たちの元に、「祠が壊された。犯人を突き止めよ」と命令が来た。 あまりにも不敬な犯罪に、二人の刑事は思わず現場へと跳んでいく 秋めく森に、無惨にも壊さ…

魔術犯罪。少女にとってそれは、最愛の人との逢瀬を許された唯一の舞台だ。 犯人たちはまだ知らない。 その悪行を打ち砕くのが、少女の恋心であることを。 「事件の犯人は私にとって、彼…

春山　拓実は実の妹のである美雪と禁断の関係を築いていた。 ある時、大学で妹の友人である武雄に兄妹でキスしているところを見られてしまう。 兄は嫉妬し、妹は兄のために行動する。そし…

【SF短編連載】俺は山城亮樹。警視庁刑事部捜査一課、狼男関連凶悪事件対策班。通称、「狼班」の刑事だ。 　狼男の存在が公に認められてから、十年になる。人口の０．０００１％程度、狼男…

弁護士・宮路偉政は、静かな館で日々を過ごしていた。だが一族の内側では、密やかな争いが始まっていた。 “静かな内乱”は、彼の館にも忍び寄り、やがてすべてを巻き込んでいく――。 崩壊…