「潰れない本屋」を舞台に、人の行いがそのまま返ってくる短編集。悪人にはきっちりざまぁ、善人にはちょっとした救い――この因果応報のさじ加減が実に心地いい。1話ごとに完結していて読みやすいけれど、全体を通して漂う不思議な統一感がクセになるんだ。
作者ロキーMさんは、日常の小さな悪意や油断を“見逃さない世界”を描きたいのだと思う。その意図がシンプルに伝わってきて、ちょっとしたホラー感とカタルシスを同時に味わえるのが強み。本屋の店長と社員の立ち位置も絶妙で、事件に関わるようで距離を保つ存在感が物語の枠を引き締めている。
短いながら読後に「してやられた」と笑える。ざまぁ系好きはもちろん、気軽に読める一話完結型を探している人にもおすすめ。