「短編ホラー小説」を含む小説

定期巡回の夜、見慣れた給水塔で宇宙人に出会った。 作業後、ノートに残っていたのは、覚えのない走り書きと黒く塗り潰された記号だけ。 何を直したのか、なぜ私だったのか、今もわからない。

「プールの底に置くなら、何がいい？」 小学生の時にされた奇妙な質問。 それが十数年後、再び食卓にのぼった時――両親は「良かった」と呟いた。

「三つ子のタマキン百まで」 　通称「三つ子さん」は、大学生だった時、僕が大ファンだった同人作家だ。 　彼が公表した作品の中に、ひとつだけ意味がわからない話があった。 　その短編…

村の時間は、止まっていた。 老いだけが積もり、子が生まれず、人が減るはずの場所。 けれどこの村は、なぜか崩れない。 風習も、建物も、人の顔も──すべてが、凍りついたように、その…

少し怖い想像話 その一言が、あなたの日常を終わらせる。 見慣れた道、いつもの帰り道。 ふと、すれ違っただけの誰かが、あなたに問いかける。 「なぜ、わかったの？」 もし、あなた…

一冊の黒い日記を拾いました。 何気なくページを開き、読み進めるうちに、私はその内容に引き込まれていきました。 これは、夏休みを故郷の村で過ごすある大学生が綴った、ごく普通の「日…

1話あたり150文字の超短編妖怪物語―― それが「10秒妖怪草紙」。 舞台は現代の東京、あるいは記憶に沈む山間の村。 都市の隙間に潜む妖、忘れられた土地に宿るもの。 恐怖、哀し…

登場人物はあなた。 これは、誰かの話ではありません。 もし、あなたがこの物語を自分のこととして読んでくれたなら―― 少しだけ、背筋が涼しくなる体験ができるかもしれません。 姫が…

平凡な大学生だった僕に、静かに侵食してきたのは、赤いワンピースのノイズだった。 倫理も季節も裏切るように生きる少女の歌声は、僕の中にあるはずの「まとも」を溶かしていく。 社会の型…

文芸部の新入生保坂文也はオカルト部に所属する友人狩野理人から奇妙なうわさ話を聞かされていた。 曰く、この学校の図書館には『図書館の七不思議』なるものがあるというのだ。 文也にとっ…

ある女子大生は北向きのマンションに住んでいた。 日当たりの悪さをなんとかしようと、「目隠しシート」を貼り付けた。 それから、彼女の部屋を"何か"が覗くようになり…。

気ままに書き連ねる。 実体験かもしれないし空想かもしれないお話。 読んで何かを引き寄せても責任は取れません。 寝る前には必ずお清めをお願いします。 更新頻度はかなり低め。 たぶ…

宅配霊媒師と人の話

鍵をかけたはずの部屋に、何かが“増えている”。 見覚えのないぬいぐるみ、知らないマヨネーズ、 気づかないふりをしながら、今日も私は日常を続けている。 けれど――これは、いつから始…

夕暮れの公園に響く、子どもたちの歌声。 輪の中に、どこか異質な子がいた。 臆病な少年はその違和感に目を逸らせずにいた――

私は大好きな人がいた。ずっと一緒に居たいという感情が呪いになった。

死を目前にした老人が、ふと思い出したのは、深夜の公園で出会った一人の子供。 それは、60年前に死んだ隣家の子供だった――。 誰の記憶にも残らなかった顔。夜だけ現れるブランコの音。…

お金に困っていた僕が見つけたのは、 「感情」を売買できる、奇妙なアプリだった。 怒り、不安、恋心、希望── 売るたびに、心は軽くなり、口座の数字は増えていく。 けれど感情が減…