「ただ語るだけ」を含む小説

基本的な作りは、その日思ったあれこれに直近の作品の作成手順や感想などを語る構成です。

音声エンジニアの久我蓮は、カフェバーで出会った日向茜に心を奪われる。重い心臓病を抱えながらも「かわいそうな病人の消費」を激しく憎み、同情を拒むために己の痛みすら美学として語る彼女…

「貴方の声――朝を呼ぶ声ね」 恋をした人魚は、人間になった。 けれど最愛の音楽家は、石になった。 名前をもらった喜び。 名前を呼べない苦しみ。 名前を石に閉じ込めた、長い夜。…

母の死が、私に、止まっていた時間の音をくれた。 大学卒業を控え、新たな人生への一歩を踏み出そうとしていた20歳の田中美咲。しかし、春の光は突然、彼女の母、小野ひなこの死によって…

　山に抱かれた小さな村で、少年たちは並んで走っていた。 　不器用な手、眩い背中、少しの悔しさと確かなあたたかさ。 　季節が巡るたび、影は寄り添い合い、そして少しずつ離れていく。 …

　俺は裏社会じゃあ、ちょっとは知られた天才詐欺師だ。『大当たり（ジャックポット）のビル』ってあだ名から、本名のビルよりもジャックって呼ぶ奴の方が多い。相棒の殺し屋ロイと、たまたま…

趣味の事について浅く語るテキトー日記エッセイ。 何の役にも立ちませんけど、皆様の暇潰しにでもなったとしたなら幸いです。 目次を見て興味を持つ記事があったら遠慮なく読んでみてくださ…

高校時代の友達達との同窓会が始まった 友の一人が、"青春時代どうだったか語ろうぜ"と言われたが皆否定した しかし、お酒を飲み進め酔い始めた頃青春を語る話が始まる 青春を語る話は平…

「お前、これで庭に穴を掘れ」 夫からの唐突な命令に困惑しながらも、私はせっせと土にスコップを突き立てる。 しかし過去に夫から受けた仕打ちをきっかけに気づいてしまう。 夫は、この穴…

ある日、自室の本棚に見覚えのない“本”を見つけた。 主人公　空月 聡真（からづき そうま） 怪異の専門家・九重 帳（ここのえ とばり）と出会い、日常は静かに動き始める。 さまざ…

【毎週金曜更新。ストック溜め中】 盗め。欺け。恋をするな。 ――それが、スパイの掟だった。 魔法文明が栄える巨大都市《アストラム》。 世界各国の利権が錯綜するこの学園都市に…

モモカとアメコはモロッコの砂漠の街、メルズーガを訪れる。そこで出会った女・シジェが語る罪の告白。しかしそれは真実なのか、孤独な女の作り話なのか。砂に覆われた街で、現実と虚構の境が…

― 灰色だけだった俺の世界に、彼女という光が差し込むまで 世界はどんどん速く回っていて、俺たちはますます本心を言わなくなった。 お互いを理解しようとするより、誤解しないよう…

【お陰様で7000PVを超えました！誠にありがとうございます！】 実力のある傭兵団として名高いアールベック傭兵団に所属するアンシャル。 彼は戦にて武勲を立てて表彰をされるがその…

満月の祭りを前に、少年シギはヤマタイノクニで仲間たちと笑い合いながら日々を送っていた。 「覚え」の仕事で耳にしたのは、祭りが国を救うという噂。 子供たちは胸を躍らせ、他国からの協…

〇主な登場人物 ・石川（いしかわ）　20代後半の男。ベテランキャンパー。昔から富山と各地をキャンプ場巡ってキャンプしていた。千葉がキャンプに興味を持ち、更に意気揚々。『奇抜でグレ…

神は死んだ。 巨大な骸は灰と化し、大地を覆い、すべてを呑み込むほどに世界を覆った。 　 　その地は何かを拒んで。 　その地は何かを慈しんだ。 龍にして、龍にあらず存在への信仰は…

誰もが、その存在を知っていた。 天文学者は言った。「これは――神の裁きだ」と。 空に浮かぶ黒い雲。 その奥、肉眼でも見える、不気味な異形の物体。 不自然なその姿は、日ごと…