「円城塔賞」を含む小説

　春が出会いと別れの季節ならば。 　出会いと別れが人を「大人」にするのならば。 　僕たちは「大人」にはなれないのだろう。 　それでもいいと思って、それではいけないと解って。この世…

私はVtuberとして活動をしています。 ファンもたくさん。やりたいことはなんでもできて、大変だけど充実した生活を送っていました。 そんなある日、私は病に冒されてしまいます。こ…

技術の発展と共に、世界から精霊が消える。勇者が消える。魔法使いが消える。そんな時代の暴力に抗った一人の魔法使いの、死に際の一時。 第二回大暴力小説大会参加作。

日本人形のようなおかっぱの黒髪和風美人高校生――南雲は、いなほの文字を強く推していた。いなほは好きな先輩に向けて書いたラブレターをぐしゃぐしゃに丸めて教室のゴミ箱に捨てたけれど―…

犀川よう様の自主企画、　第二回　さいかわ卯月賞　テーマは「春」　に参加するために書きました。

雨の日。 とある家族の話。 個性強い家族の善悪面は、雨の日にも現れる。

飯盒でご飯を炊き、ウィンナーとカマンベールチーズを焼く。ウィンナーは娘の好物、カマンベールチーズは妻との思い出。 ※レイティング全てに該当しています。

　浅川颯太（あさかわそうた）は、野球部で使いパシリの補欠扱いだ。せいぜい、母校の野球場の跡片付けや清掃以外に、役立っているとは思えない。しかし、あるときから、彼は、グッドラッカー…

この、話は、「カクヨム」上での、やり取りを描いた、ほぼ実話のエッセイです。 先ずは、読んで、見て下さいね。 面白いやり取りが、書かれていますよ……。 でも、読んで頂かないと…

これはたった110文字の物語。

高校で出会った2人のサッカー少年。 彼らのサッカーがお互いの視点で描かれます。 ※この作品は2話編成になります。片方だけでももちろん楽しめますが、両方読んで頂けるとより楽しめるよ…

我が子を失った悲しみに耐えながら生きる主人公。 ある春の日、彼女の前に現れたのは……。 ＊犯罪行為や、赤ん坊の死亡といった記述があります。ご注意ください。

髪への執着から、髪を触らせてくれと懇願する。金で触らせてもらうようになり、髪を切らせて持ち帰るようになる。 そして出逢ったM。　 Mに紹介された神のような髪を持つ者。そして噛まれ…

病室で彼は父を見つめる。言葉を紡ごうとしても、喉は沈黙に縛られる。 世界から言葉が消えた。文字は崩れ、人々はただ無音に佇む。沈黙は人を孤立させ、彼は問う——言葉なくして、何が残…

“二の舞” 他人の失敗と同じような失敗を犯すこと。

夢の中での不思議な体験。有り得そうもない話だけど、私は確かに、何かを感じた。

「おかしな夢を見たよ。赤羽町の太平洋ロングビーチでぼくはのんびりしていた。水面が黄金に揺れててさ。あれだね、春の海ひねもすのたりのたりかなの心境になっていた。与謝蕪村だよ。そした…

親の期待を一身に背負っていた小学生時代を思い返す。 教室の隅から自分を見つめていた、少しだけ噂のある少年は、ほしと共に現れた。 きっと、願いはかなったんだよね。

紫衣事件により、出羽上山へ流罪となった沢庵。その沢庵を護送するのは、親友・柳生宗矩の息子である十兵衛だった。 十兵衛と沢庵は互いの武芸の心得のあることを認め合い、囚人とその護送で…