口から発する言語だけでなく、ボディランゲージのようなものも伝わらなくなってしまった世界。
声が使えなければ筆談、筆談が使えなければ身振り手振り、けれどその身振り手振りさえも伝わらない。最初からそうだったならもしかしたらそれでも成立するのかもしれません。でも言葉に頼り切ってきた人間がそれらを急に失えば、周りの人と意思疎通ができなくなってしまうのも当然のこと。
なら人は孤独になるしかないのか。
気持ちを伝えられなければそれまでの関係性すらも崩れていってしまうのか。
言葉を失った時、何が残るのか――考えさせられる作品です。