「文学より」を含む小説

日常に飽きた少年、田村謙介が惚れ込んだのは、故郷を棄てた少女、キャサリン・ドミトローヴナ・ウィリアムズ。「アニメみたいな日本の日常」を追いかける彼女は、普通さなど持ち合わせていな…

陸上部部長・佐藤風香は、想い人でもある幼馴染の背中に、初めて手が届かないと悟る。親友と幼馴染の間には夏の予感が漂っていた。少しずつ広がっていく「靄」は大会直前、風香の走りを止めて…

一四世紀にヨーロッパで猛威を振るった黒死病、ペストと当時のカトリック宗教の問題を絡めた溶接です。 救済と信仰、正統と異端をテーマとして書きました。感想などをいただければ嬉しいです。

息抜きに書いた短編置き場。 多ジャンル(エッセイ、歴史系、創作論以外)の一話完結型(大体)短編集です。 目指せ100話( ˘ω˘)b 〚タイトル横の記号について〛 ⚠：…

主に社内の資料庫番として働いている私は、ある日、入院中で仕事を休んでいるはずの同僚・沢井さんを百貨店で目撃してしまう。その出来事をきっかけに、私の中に積もりに積もっていた疑惑が膨…

柊陽花は、何気ない出来事をきっかけに心を閉ざした。 静かに流れていた彼女の高校生活は、九月一日、天野日向との出会いによって動き出す。 これは、灰色だった日々が、少しずつ彩を取り…

森で暮らす子うさぎのミンファ。 初めての友達、初めての小さな冒険。 その小さな一歩は、やがて心の奥に残る問いへと変わっていく。 笑いと涙に包まれた、深く優しい、大人も読める児童文…

　私はどこかにいた。森に囲まれたどこか懐かしい場所。とりあえずこんなとこにいても仕方ないから山を下っていくと、なぜだか『彼女』のことが頭に浮かんでくる。いつもいがみ合っている彼女…

「皆には、幸せで、笑っていて欲しい」 「今度はアイリスで、アイリーちゃんに幸せを届けられるように」 大人気歌い手のアイリーは、余命宣告を受けたことをリスナーに明かす。 アイリー…

彼女にフラれてしまったあの日、僕は猫を轢き殺した。たかが猫だ、気にしないようにして暮らしていたのだが、ある日から幽霊となった猫による怪奇現象が多発するようになる。さらには、その猫…

古びた石畳の街にほのかだが暖かい光、湿った風。人々の想いや記憶が残留しているかのようなささやかな気配がある街。その街に溶け込むように、アトリエ・クレールはあった。 油絵教室を中心…

ちいかわにドハマりした私が読み説く、文学の話！ちいかわのこの部分って文学のあの作品に似てない？とか、色々な思いを馳せながら、夢を見ながら書きたい あくまで個人的な妄想なので、真実…

妻の旧友が島にやってきた。弁髪に顎髭、あろうことか、ベジタリアン。 妻は祖母の看病で本土へ、残された僕と彼の奇妙な同居は、やがて狂乱の宴へと変わっていく。 島社会、信仰、戦争、─…

ありふれた日常の中にある情景 現実離れして妄想や空想の中に見る夢 時折、切なさが残る様な余韻をお届けします。

友人の幸福、創作の成果、世界のきらめき。 それらを「情報」として受信し、感情の奥へ踏み込まない語り手。 彼はなぜ他者のプライベートに触れず、 自分自身についても語らないのか。 …

冬の深夜、郊外の駅前ロータリー。 仕事と創作という二重の演算を終えた男は、原付を止め、自販機の前に立つ。 手にした一本のコーンポタージュの熱が、冷え切った身体と思考をゆっくりと再…

うつ病の母をもつ、うたたは振り回されながらも強く生きる

冬になると、私は毎年マクドナルドのグラコロを食べる。 それが「普通」であると知りながら、確かめずにはいられないからだ。 てりたまという完璧な巡礼と対比しながら、 一人の中年が、季…

大正時代。興津しのぶという、珍しい女教師兼文学者が居た。