「海の」を含む小説

　これはギリシャ神話の中を暴れ回った海の民の物語です。 　エクソダスの原典とは少しかけ離れたエクソダスです。インターネットの普及などにより、神話に不審な点や新しい考察がでてくる時…

1995年祖父の葬式に奄美大島に来た男が美しい海の見える浜で寝てしまい、夢とともに不思議な体験をする。

二人の人生は海のようでもあった。 大きな白い波が横に走り、やがて、大地の砂浜へ叩きつけて、消えてゆく。 やさしさなんてなく、常に唸り声をあげて、大きく振りかぶって、振り下ろ…

先祖代々茶道師範をしている家に育った竜樹は、亡くなった人の強い思いのこもった物に触れると幻を視てしまう。 竜樹を可愛がり作法を教えてくれた亡き祖父の道具を持ってからその力は、強く…

ふわふわの雲から生まれた私は、風に乗って大空を旅する。途中、鳥や花と出会い、未知の世界に胸を躍らせる。次は、海を越えた先でどんな風景が広がるのだろう。

「おかしな夢を見たよ。赤羽町の太平洋ロングビーチでぼくはのんびりしていた。水面が黄金に揺れててさ。あれだね、春の海ひねもすのたりのたりかなの心境になっていた。与謝蕪村だよ。そした…

1898年。インペリウム海の真ん中に浮かぶ島ドライズラントは、大陸の強国ロッツァ帝国からの独立を図ろうとしている。そんな中、戦争にも政治にも興味が無く家族の借金を背負わされてしま…

　年に限られた時期にしか雨の降らない乾燥地帯の国。日照り1ヶ月を超え、来るはずだった雨季の予兆すら見えない東の地にラダンの村があった。 〈赤銅色の山に飛来した竜が、水源を独占して…

都会での満たされない思いを抱え、田中健二は津波の爪痕が生々しい漁港・竜舞崎を訪れた。釣りの最中、不気味な視線と水面に浮かぶ水死体を目撃し、「まだいる」という声を聞く。帰り道で全身…

「ねえ、聞いてる？ 私だよ、ミカコ。…いや、かつてミカコだった『何か』かな？」 ここは2077年、無限に広がる情報（デジタル）の海。私は肉体を捨て、意識だけの存在――まあ、カ…

異世界、セブリファスタ。 魔法や化学は普通に存在している世界。 ６つの大陸と周辺の海があり、７つの国としてそれぞれ独立している。 「滅びの国　クォレイド」 「弱小の国　ヴィオレ…

あらすじ 慶応三年旧暦十一月、京都で起こった坂本龍馬の暗殺。この事件の翌年、徳川幕府はその三百年の歴史に幕を閉じ、「明治」という新しい時代が幕を開けた。 はからずも、新時代の到来…

　日本人カメラマン・月島紗季はキャリアの岐路に立っていた。仕事の依頼が減り、創作の情熱も失いかけていたその時、スペイン南部の「太陽の海岸」で猫の写真集を撮影する仕事が舞い込む。 …

静かな離島の診療所の医師、健吾のもとに届いたのは、かつての恋人からの手紙。忘れたかった彼の心に、そっと波紋を広げていく。 潮風、診療所の風景、青緑色の海――過去の恋人に見せたかっ…

ひとりの女性・優（ゆう）は、婚約者に捨てられ、仕事も住まいも失った夜、海に身を投げようとしていた。 そんな彼女を救ったのは、猫を探していたという優しい男・健志（けんじ）。 彼の家…

夜の海で一人、酒に浸っていると、青肌の人外と邂逅した。人外は自称神として、私の日常生活に侵蝕して来た。自分が生きていくだけで精一杯なのにな……。それに、彼女が来てから、やたらと変…

「万璃、あたしシーラカンスになるんだって」 　高校二年の夏、万璃（マリ）は親友の碧（ミドリ）から《水棲変質症》に感染したと告白された。 　《水棲変質症》。四肢や内臓がシーラカン…

「おふとんの幽霊」こと彼女は、かつて女子高生であった現地縛霊。 一人きりの世界に閉じこもる性質を持つ地縛霊たちを死後の世界に導くのが、死神たる少年の仕事である。 しかし「おふとん…

当作品には、阪神・淡路大震災に関する記述が含まれています。 当作品には、水を扱った記述が含まれています。東日本大震災や昨今の豪雨被害等を想起させる可能性があります。 それらの記述…