19世紀末を思わせる世界観での架空戦記である。フーリエ独立を舞台に、戦いで右腕を失った少女士官サラが、旗艦「ペトラ」を駆り帝国軍と死闘を繰り広げる。細部まで描かれた艦隊戦の戦術や気球による着弾観測といったミリタリー描写に加え、手紙(日記)を通したサラの繊細な心情吐露が大きな特徴である。勝利の代償としての喪失感や仲間との絆、背後の政治的駆け引きが重厚なドラマを構築している。緻密なミリタリー描写を求める架空戦記ファンや、戦争の残酷さと個人の喪失を描く人間ドラマを好む読者におすすめできる。
複合語で失礼します。海外文学のような歯ごたえのあるカロリーのある作品です。ですが、脂っこいものほど美味しいと相場が決まっています。
時は1898年。帝国に支配された島国は、独立の機運が高まっていた。帝国、独立派、救済同盟。複雑に絡み合う状況がややわかりにくいのも、ご愛敬。この方、日本語は第二外国語だとのこと、日本語すらまともに扱えない私からしたら、素晴らしいの一言である。救済同盟に助けられた士官のサラは、同輩のシャルルとともに、艦橋が爆破し上官のいなくなった艦隊の指揮を執る。紅茶を飲み、斜にかまえた姿は、女版ヤンウェンリーだろうか。これからの展開にも注目する作品です。