概要
リバイバル上映の帰り道、祝福ひとつ送るだけなのに、胸の奥が渋っていた。
仕事帰り、ふと立ち寄った映画館で観たのは、二十五年ぶりのリバイバル上映だった。子どもの頃は「抱きしめて許される」強い場面だけが記憶の中心だったのに、いま胸に残ったのは、その手前に積もっていた言葉と、親友が妬まずに背中を押す眩しさだった。映画館を出た直後、会社のグループチャットに流れてきたのは誰かの異動と抜擢。祝福のスタンプが並ぶ画面の前で、親指が止まる。喜びきれない自分を守る“膜”を感じながら、それでも薄くするために、まっすぐな言葉を送る帰り道。
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