概要
生きることは、あまりに不潔だ。ーだから僕は、死んでいる君だけを愛した。
私立大学の古びた研究棟。その最奥にある民俗学研究室には、ある奇妙な噂がある。
そこには「人間嫌い」の准教授と、「彼にしか見えない」助手だけが暮らす、静寂の聖域があるのだと。
主人公・絃聡一郎(げん・そういちろう)は、極度の潔癖症にして偏屈な民俗学者だ。
彼にとって「生きる」こととは、汗をかき、垢を出し、他者と粘着質な情動をぶつけ合う、生理的に耐え難い「汚染」の連続でしかない。
常にマスクと手袋で武装し、他人の握ったおにぎりすら口にできない彼が、唯一、素手で触れ、安らぎを得られる存在。
それが、研究室に住み着く美しい幽霊・帷繭(とばり・まゆ)だった。
彼女には体温がない。脈拍もない。老いも腐敗もなく、ただ陶器のように冷たく、清潔だ。
聡一郎は彼女のケアに依存し、彼女もまた聡一郎の存在を拠り
そこには「人間嫌い」の准教授と、「彼にしか見えない」助手だけが暮らす、静寂の聖域があるのだと。
主人公・絃聡一郎(げん・そういちろう)は、極度の潔癖症にして偏屈な民俗学者だ。
彼にとって「生きる」こととは、汗をかき、垢を出し、他者と粘着質な情動をぶつけ合う、生理的に耐え難い「汚染」の連続でしかない。
常にマスクと手袋で武装し、他人の握ったおにぎりすら口にできない彼が、唯一、素手で触れ、安らぎを得られる存在。
それが、研究室に住み着く美しい幽霊・帷繭(とばり・まゆ)だった。
彼女には体温がない。脈拍もない。老いも腐敗もなく、ただ陶器のように冷たく、清潔だ。
聡一郎は彼女のケアに依存し、彼女もまた聡一郎の存在を拠り
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!冷たさの中に、誰にも近付けない熱い愛があるから。
民俗学の准教授・絃聡一郎を主人公として、幽霊の帷繭をヒロインとした誰にも止められない(止めようとする人は現れましたが)二人だけの絶対零度の純愛ラブストーリー。
――と言うと、人間×人外モノと思われるでしょうか。
この物語を世間に蔓延るラブストーリーとは一線を画した、ユニークで唯一無二の輝きを放つものとしているのは、物語を通して主人公の『思想』を叩き込んでくる点でしょうか。ごく普通の人間の感覚とは異なる(のではないだろうか)聡一郎の極まった潔癖症は、慣れていない序盤こそコメディ要素のようにも読めますが、この徹底的で一貫した聡一郎の姿勢は、慣れてきた頃にはある一種の諦めすら生まれてきます。お…続きを読む