一見、社会の枠から外れてしまった「救いようのない女性」の記録。しかしその実態は、幼い頃に壊された心の破片を、必死に拾い集めようとして迷走し続ける魂の叫びです。それは、どんなに水を注いでも底から漏れてしまう、ひび割れたコップのような人生。 薬物、窃盗、虐待の連鎖……。凄惨な過去が淡々と綴られる一方で、春の光やアイスクリームの甘さといった日常の彩りが、彼女の「生」の脆(もろ)さを際立たせます。 「善悪」という言葉だけでは裁ききれない、人間の心の深淵を映し出した一作です。
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