猿の手だったら何でもできる! ……たぶん。
- ★★★ Excellent!!!
主人公は乃手ルイジ。嵐の孤島で殺されてしまった被害者です。
本作は彼の無念を晴らす物語。
――――なのですが。
殺人現場の状況維持は鉄則!
シロートが踏み荒らしてしまったら、分かるものも分かりゃしません。
ましてや『猿の手』なんて使った日には……
この『手』ですが、ご存知でしょうか?
願い事を叶えてくれるのです。
しかし所詮はサル知恵。どこかおかしな解決法しか授けてくれません。
一緒に遊びに来ていた友人三人が使えば使うほど、カオスが発生。
たとえば密室トリックを解明しようとしたら、密室が破綻することに。
また被害者を生き返らせて事件をなかったことにしようとしたら、『俺』の体が大変なことに。
このムチャクチャ具合だけでもゲラゲラ笑えること請け合いです。
さんざん現場を荒らしまくった末、ついに『あの人』が登場します。
ミステリー好きなら知らない者がいないスーパースター。
なぜ出てきたのかは考えてはいけません。だってそういうモノだから。
えっ……その説明ではダメって?
よりにもよって精巧で知られる黒澤作品では許されない?
いえいえ、ちゃんと納得できるから。
事件も、動機も、結末も――――
最後に誰が出てくるか、考えながら読んではいかが?