猿の手だったら何でもできる! ……たぶん。

 主人公は乃手ルイジ。嵐の孤島で殺されてしまった被害者です。
 本作は彼の無念を晴らす物語。

 ――――なのですが。

 殺人現場の状況維持は鉄則!
 シロートが踏み荒らしてしまったら、分かるものも分かりゃしません。
 ましてや『猿の手』なんて使った日には……

 この『手』ですが、ご存知でしょうか?

 願い事を叶えてくれるのです。
 しかし所詮はサル知恵。どこかおかしな解決法しか授けてくれません。

 一緒に遊びに来ていた友人三人が使えば使うほど、カオスが発生。
 たとえば密室トリックを解明しようとしたら、密室が破綻することに。
 また被害者を生き返らせて事件をなかったことにしようとしたら、『俺』の体が大変なことに。
 このムチャクチャ具合だけでもゲラゲラ笑えること請け合いです。

 さんざん現場を荒らしまくった末、ついに『あの人』が登場します。
 ミステリー好きなら知らない者がいないスーパースター。
 なぜ出てきたのかは考えてはいけません。だってそういうモノだから。

 えっ……その説明ではダメって?
 よりにもよって精巧で知られる黒澤作品では許されない?

 いえいえ、ちゃんと納得できるから。
 事件も、動機も、結末も――――

 最後に誰が出てくるか、考えながら読んではいかが?

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