腹ペコの野良犬に手を差し出し、自身も腹ペコなのに握り飯を犬に食べさせる、優しい侍。だが彼は、人斬りだった……。人は、様々な面を持つ生き物だ。普段は優しい人が、怒ると手が付けられなくなったり。真面目な人が、羽目を外しすぎて大変なことになったり。この侍も、恐ろしい面が伝えられているけれど、優しい面だってあったのではないか。そう思うと、どこか切なくなる。その男の手は、あなたの目にはどう映るのだろうか。
人斬り以蔵の壮絶な人生の一幕。最強の刺客。そう恐れられた彼にも野良犬を可愛がる一面があった。一度人をかけた血の臭いは消えない。繰り返すほどに濃くなる。人斬りとしての人生を生きた岡田以蔵の悲哀を描いた物語である。
幕末の四大人斬り。田中新兵衛、河上彦斎、中村半次郎。そして岡田以蔵。本作の主人公である。彼はただただ悪辣で、残忍な人殺しの男だったのか。いや、違う。彼もちゃんとした1人の人間だ。悪鬼などではなく、志の下に生きた武士である。そんな血に塗れた彼の生涯はどんなものだっただろうか?その一部、幕間を描いた物語。是非とも拝見してみてはいかがでしょうか。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(193文字)
幕末の時代、「人斬り以蔵」として恐れらた、土佐勤王党の岡田以蔵。現代を生きる我々は、数多くの人を斬り殺した人斬りと言われると、勝手に恐ろしい人物を想像してしまいますが、本作ではそんな以蔵の思わぬ人物像を、ちょっとした出来事から描きだしています。詳しくは本編を読んで頂きたいのですが、この切り出し方は、見事という他ありません!
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