自分は個人的にバーナード・コーンウェルのウートレッドシリーズとその映像化作品がなどが大好きなので北欧諸国側からの視点で,しかも内政重視ものというのは完全に刺さり、毎日まだかまだかとブラウザを更新して待っています。
ここで面白いのは、一般的な一族皆蛮族戦士というステレオタイプを少しトール視点では先入観として持ちながら、考古学的に実証されているスカンジナビア地方の鉄器時代から中世初期までの彼らなりの高度で身だしなみなどを非常に気にする文化や風習を自然に描いているところです。ただ、まあ、角付のヘルメットは実際はなかったらしいので少し残念ですね。
若干気になったのは10世紀と表記されてますし、現在の王がハーラル2世のような表現が何度かされていますが、そうなると10世紀後半で、すでにノーサンブリアなどはデーンロウ統治されているので交易面ではアングル人と交易するよりは一応同胞であるそちらのほうが良いのでは?
小さな発明からはじまる内政モノです。
最初のエピソードは、主人公が海水から塩を作る所です。
なぜ、そんな事ができるのか?
続きを読めば答えが分かります。
そして、主人公はさらに効率良く塩を作るためにカマドを作るのですが……。
エネルギー効率を侮るなかれ。主人公の歩みは少しづつ世界を変えていきます。
個人的な推しポイントは、主人公がパパと仲良しなことですね。
ママやお姉さんも良いキャラですが、やっぱりパパなのですよ!
総合評価としては『星3個じゃ到底足りない傑作』です。
とりあえず、塩の作り方はチェックしておきましょう。
目からウロコです。
文化勝利(ぶんか-しょうり)
その文明が同じ星内の並み居る文明に対して勝利したと言える勝ち方の一つで、非常に洗練された文化によって他すべての文明への圧倒的な影響力を得た状態の事。
他の勝ち方としては制覇勝利(他のすべての文明の最初の首都を支配下に置くか消滅させる)、科学勝利(他のすべての文明より早く宇宙開拓に乗り出す)、外交勝利(国連で自文明が世界の指導者として認定される議決が下されるとか外交勝利ポイントを一定貯めるとか)などがある。
民明書房より
あの沿岸上陸からの略奪を身上とするいかにも戦闘系のヴァイキング文明が洗練された文化で世界中を飲み込む過程と結末をじっくり楽しむ事ができます。
一見とても平和だけどぶっ飛んでいる。そんなもしもの世界を楽しめるお話です。オススメ。
かなりしっかり中世北欧の文化・風土などを調べて表現していて勉強になります。その上、リアルだと暴力あふれて大変な世界を、不自然にならない程度に、ふんわり人死にのない文化勝利の物語へと導いている手腕に敬服します。読んで楽しく、気づけば北欧の文化・風土にも詳しくなれる、ステキな物語です。
聞いたことのないクナトルレイクという競技を、思わずググってしまいましたが、これは作者の創作でした。現実と空想の垣根が分からない、秀逸な時代小説と言えるかもしれません。 (追伸 すみません!ググって調べられなかっただけで、クナトルレイクKnattleikrという競技は実際にあったのですね。失礼しました。)