とても面白いです。
まず、年代が10世紀頃というのが面白いです。ヴァイキングに転生しますが戦争は全然していません。戦争なんて戦争をする理由を無くせばいいだけなことが多いので、この作品もそっちの方向で進んでいてそれがこの作品の良いところな気がします。
また、物語の視点が、主人公がいた時間軸をメインに据えつつも章の最後で現代の視点になる構成が良いです。
現代にどう繋がっているかが分かるのはもちろんですが、物語の構成として見れば間延びを防いでいたり、章のまとめとして振り返る役割にもなっています。
また、10世紀の出来事を21世紀に説明するので、史料が色々過言な記述をしていたり、それを読んで間違った解釈をしていたりで、実際どうだったかを見れる私たちはそこのギャップを楽しめます。さらに、今読んでいる時間軸の後のこともちょこちょこ出てくるので、「この後こんな風になるんだー」というワクワク感も出せています。
また、タイトルに文化勝利とあり、おそらくCivという有名なゲームから来ているのでゲームに比べてどういう感じかが気になって読みましたが、ゲームはポイントシステムでかなり簡略化されてる一方で、この作品はかなり詳細に書かれています(当然と言えば当然ですが)。
あのゲームでは文化に寄与するのは建物と芸術品がメインですがこの作品はでけえ建物もすげー芸術家も今のところ出てこず、もっと広範な意味での文化を扱っています。
また、文化が広まるには総合的な国力が必要ですし、実際この作品は文化の話に傾倒している訳ではなく経済や外交、多少の軍事(っぽいもの)も扱っているのであんまり文化というのを意識しなくても楽しめます。
北欧文化が好きな方は必見。
サブタイトルに主人公の年齢と季節が書いていて、「ああ、もう2年経ったのか」とかの達成感みたいな感慨が湧いてくる。これが、よりこの作品に没頭できる一つの要素だと思う。
年が経てば経つほど、主人公のできること、そして周りの人ができることが増えていって、ますます一年が濃ゆいものになっていく。
そしてその変化こそが、私たち読者がこの作品のキャラクターに愛着を持つ余地なのだ。
さらに、いわゆる主人公に没頭するタイプではなく、他の村人と一緒に、読者さえも振り回してくれる。主人公の行動ひとつに、「これが成功したらどうなるんだ」という期待感と「どうなってしまうんだ」という漠然とした感覚を与えてくれる。
それが、自分たちの知っているものならさらに興奮する。
最も注目して欲しいのは、やはり北欧社会の解像度の高さ。もちろん、全てがヨーロッパ諸語ベースではないが、読んでるうちに少しづつ北欧文化や北欧の言葉などもわかるようになる。学びのあるコンテンツは面白さとは別の満足感を与えてくれるだろう。
また、ストレスのない要素として、無闇な文化破壊をしないことにある。元の文化を大切にしたまま、しかし、主人公の平和主義を達成していく。急に銃を作ったり、戦艦を作ったり、刀を作ったりしない。
全体的に、北欧社会へのリスペクトを感じる。
これまでの説明で、硬い読み味なのかな、と思ってしまった方がいれば、そんなことはないですよ、と言いたい。
むしろ読み味はかなり軽い。主人公の軽快な地の文と、コミカルなキャラクターたちが、WEB小説らしい読みやすさを出している。
何より安心して欲しいのは、投稿ペースがかなり早いこと。エタる心配も、まあほとんどないと思う。
カクヨムで歴史物を読んだことがない方は、ぜひ一度読んでみて欲しい。
先日のワールドカップサッカーに出てたノルウェーの背番号を見て思いました。うん、紛うことなくルーン文字をオマージュしてる。もちろん選手も。
さて本題。つい先日まで、このファンタジーは、バイキングの物語であって史実をなるべく忠実にトレースしてて出てくるモノも実際にあると思い込んでました。
とりあえず目次をザックリ見てください。プロローグ&エピローグだけでも読んでみるに、読みやすいんです。無理がない。そして知らず識らずのうちに引き込まれ、章ごとの終わりに書かれてる伝記が真実味を醸し出してます。半身に構えて読み進むにつれてもしかしたら原書を読んでいるんじゃないかという疑いも出てきます。
さあ、ちょっとだけ読んでみましょうよ