概要
「ママなら、あっちにいたよ」 ――見えているのは、俺だけだった。
日曜日の午後。巨大なショッピングモール。
冴えないアラサーの〝俺〟は、一週間前に頼んだ裾上げされたズボンを取りに、独りこの場所を訪れていた。
幸せそうな家族連れが通り過ぎる中、ひとりの迷子の少女に出会う。
ピンクのワンピース。泣き出しそうな瞳。
それは、離婚して会えなくなった娘が、記憶の中で成長した姿そのものだった。
「おいで。ママなら、あっちにいたよ」
誰にも見向きされない俺たちの、二人きりの逃避行。
娘の面影を重ね、その手を引いた俺が、最後に行き着いたのは――。
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